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日本の美術をアップデートする⑧(幸福と友情)京都画壇の青春/一日一微発見406

朝10時、開館と同時に京都国立近代美術館に行った。開館60周年の「京都画壇の青春―栖鳳、松園につづく新世代たち」を見るためである。

僕も妻の渚も日本画好きだ。いつもコンテンポラリーアートばかり見てまわっているから意外に思われるかもしれない。ちょうど大鳥居の反対側の京セラ美術館では、竹内栖鳳展もやっているから、そちらも行くのが楽しみだ。

「京都画壇の青春」には、何の前情報もなく行った。展覧会のロゴデザインの奇妙さと、作品撮影が一切ダメなのには驚いた(おまけに、入口のタイトルロゴも撮影禁止なのだから、60周年なのにやる気はあるのかと疑ってしまう)。

それはともかく入館して気づいたのは、タイトルキャプションのところに、その作家がその作品を描いた「年齢」が明記されていることであった。

これは面白いキュレーションのアイデアだ。
例えば第一室の小野竹喬の絵は、たしか彼の19才の時のものであったが、その老練さにおどろかされた。こんな具合である。
最後の部屋になると「青春」とは呼べない年齢の作品もあったから、ちょっとどうかな、ということもあったが、大半は刺激的であった。

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