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国際芸術祭あいち2022近藤亜樹さんが与えてくれる恩寵/一日一微発見330

「善いもの」はどこにあるのだろう。僕は個人的には庭をやりだしているので、自然という「人でなし」なものが逆説的に「善いもの」の力を持っていることを知っている。

コロナ禍の狂騒や、もっとひどいウクライナの侵略戦争など、僕らの時代は「ヒューマン」に対する失望を突きつける時代だ。
ジェームズ・ラブロックが先日103歳で昇天してしまったが、彼が『ノヴァセン』で予見したように人工知能体に地球の未来を委ねた方が本当に良さそうだ。

「人間に対する失望」の中で、コンテンポラリーアートはどうなるのだろう? といつもモヤモヤした気持ちで、様々な展覧会場を巡っているのである。

国際芸術祭あいち2022へ早朝から出かけた。
ディレクターは片岡真実さんで、テーマは河原温の作品からとられたStill Aliveである。

キュレーションという仕事の重要なことの1つは地域や歴史というコンテクストとの接合だから、名古屋生まれの河原温を持ってきたのはさすがである。

しかしまずは僕のお目当ては河原温ではなく尾張一宮会場だ。
リストをちょっと見ただけでも面白そうなアーティストが集まっているからである。

会場といっても街のあちこちでやっているし、今まで1度も尾張一宮には行ったことがないのでそれも楽しみだった。

お目当ての第一は近藤亜樹さんの新作である。その会場である旧市立中央看護専門学校を目指して商店街を歩いていった。

バリー・マギーの作品でラッピングされたトイレがあり、あとで見ようと思っていた奈良美智くんの作品が展示してあるビルを見つけたので、立ち寄った。

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