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ファッションとコラボの蜜月


最近、SNSやネットニュースを見てて思うのだが、今の時代、「コラボアイテム」というものは世の中に溢れ過ぎていないだろうか?
確かに、アーティストや他のブランドとコラボすることによって、様々なメリットは生まれるのだとは理解している。例えば、お互いにとって、新たな層に認知を広げるという広告的な側面もあるだろうし、普段とは違った世界観を作り上げる事、フレッシュなアイテムを作ることが出来るのもコラボの良さである。
しかし、昨今のこのコラボ人気にあやかり、本来あった「希少性」というものは薄れ、大半のものは右から左へただ消費されていると言っても過言ではない。自分もネットなどで流れてくるものを見ていて、全てとは言わないが、ただ単にアーティストのプリントを貼り付けたようなアイテムも溢れかえっている現状に、それは逆にマイナスプロモーションにもなり得るんじゃないのだろうか、ただ名前だけのコラボが多すぎないか?と思ってしまう。

では、そんな世にはコラボ商品が溢れる中で、一体どういうものが人の心を打つのだろう?良いコラボの基準ってなんなのだろう?

自分には選ぶ基準として重視しているものがある。
それは、コラボするお互いの「関係値」はどれぐらいなのか、という事。
そもそも「コラボする」と言う事は、互いの価値観がぶつかり合って、お互いの良さを引き立てつつ、それを一つの作品に落とし込むからこそ、初めてそこにパワーが生まれる。その過程には、お互いの理解の深さや関係値は重要だし、ある程度、信頼性がないと、どちらか側のただの言いなりでは、良いコラボは生まれない。


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DIET BUTCHER SLIM SKIN
"KOSUKE KAWAMURA×GUCCIMAZE HARF SLEEVE SHIRT"


それで言うと、今回のブッチャーのコレクションは、まさに素晴らしいコラボだと思う。ただプリントに落とすだけではなく、ジャガードのニットや刺繍といた様々な素材やテクニックを使って、きちんとモードでクリーンな「洋服」に昇華している。

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その中でも、この半袖シャツは、自分が展示会で見てときめいたアイテムの一つ。このアイテムの凄い所は、あの世界的に活躍する河村康輔氏とGUCCIMAZE氏という2人のアーティストが1つの作品を作り上げるという事。それ自体、お二人を知ってる人からしたら凄すぎるし、そして何より、このグラフィックを額縁に入れて家に飾って置きたいくらい 1つの作品として完成度の高さが素晴らしい。
多分、今回のコレクションを作るにあたって、デザイナーの深民さんとこのお2人との作業過程は壮絶だったと察するし、普段の親交や信頼性もあったからこそ、この夢のようなコラボは実現したのだと思う。
そんなストーリーがアイテムから伝わるって事が、コラボ本来の醍醐味じゃなかっただろうか?
もちろん、グラフィックだけではなく、ちゃんとシャツとしてのシルエットやデザイン、隠しタグなどの細部のディテールにさえ、ブランドの美学も落とし込まれている。

この「コラボ」が溢れる世の中で、何に重きを置いて、何を選択していくのかは、今後ますます重要になっていくのかもしれない。

#dietbutcherslimskin #kosukekawamura #guccimaze


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