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愛すべきバカ

後輩の一人は鬱を患っていて現在は治療を中断中で完治はしていない。彼女は私の「死にたい」という言葉をとても理解していた。

もう一人の後輩も完治しているが鬱の経験者。自殺未遂をした経験もある。逆にクラスメイトが何人も自殺した経験がある。

そんな二人だからこそ言ってはいけない言葉だと理解していたが感情は理解や思考を超えて言葉となって出てしまった

「死にたい」そんな言葉を聞いて彼女たちは「そんな事言わないで!」「言っちゃダメ!!」とか否定的な言葉は発しなかった。私の「死にたい」の言葉の意味を理解してるからこそただただ傍にいてくれた

ダラダラ朝方までカラオケで泣きながら色んな話をしたけど正直自分がどんな風に彼女たちに話してたか殆ど覚えてないのです。タコ焼き食べたいって注文した後輩が一個しか食べずに「おなかいっぱい」って残してた事とかそんな事は覚えてるのに(;^_^A

朝方、次の日病院で検査があると一人の後輩が姉に迎えに来てもらって帰っていった。そんな大切な日に飛んできてくれた後輩。更に感謝の気持が募る。もう一人の後輩は「これからどうしますか?」と私に連れそう覚悟をのぞかせてくれた。

そのまま二人で車を走らせてとあるスパに到着。心身ともにボロボロだったのでスパで汗を流し車を運転する後輩は仮眠。私はボーっとするものの全然入眠しない。車の中でも眠いはずなのに全然寝れず意識だけがそこにある様な感覚が続いてた。

退出時間になり朝9時頃にスパを出て「とりあえず私の家に行きましょう」と後輩が言ってくれたので後輩の自宅へ。後輩は実家住みだったからお母さんにもご挨拶。お母さんが「突然昨日の夜に娘が一大事だから行ってくるって何も説明しないで出てったからビックリしたの。でも大変だったみたいだね、ゆっくりしていって」と優しく声をかけて貰って後輩の部屋へ

気づくとぽつりぽつりと意識が途絶え始め寝たり起きたりの繰り返し。後輩はこの時寝てたけど昼過ぎに起きてお母さんがご飯作ってくれたよってご飯を出してくれた。せっかく用意して貰った食事があまり喉を通らない。そんな私に「ちょっとだけ食べれるだけで良いんですよ」と優しく言う後輩

自分にここまで寄り添ってくれる人がいるのか、そう思いながらもこの時の私はまだ現実を受け止めきれないでいた。

次の日も後輩の家に泊まり一日何もせず意識が飛んだり起きたり何度も繰り返し殆どベットから動かないで過ぎた。さて今後どうしようか・・・まず後輩の家にずっといる訳にはいかないからホテルを探そうとすると後輩が「私も一緒に泊まりますよ」と言ってきた。

一週間位泊まるつもりだったから「結構お金かかるよ!?」っていうと「全然大した事ないです!!大丈夫!!」と意気揚々とホテル探しを始めた。

ここまでしてくれる後輩いる???本当に驚くんですけど・・・

「お前ってバカだなぁ・・・」ってぽつりというと彼女は満面の笑みで

「愛すべきバカでしょ」返してきた

ああ、もう本当にどうしようもない位バカで

どうしようもうない位愛おしいよ

大好きだよ

この後輩との付き合いは長いかれこれ8年程の付き合いだ。以前働いていた職場で彼女とは出会った。年齢こそ下だったが職場では先輩。丁寧に一つ一つ仕事を教えてくれたのを覚えてる。

プライベートでも遊ぶ様になり私が好きなアーティストを勧めたら沼にはまって一緒にライブ行ったりもしてた。何度となく遊んできた8年間。その中で彼女は私が気づかぬ間に鬱を発症していた。傍から見れば彼女は鬱病には見えない。でもその病気は時には荒々しく彼女の心を蝕む。私は今回の件で鬱には至らなかったが鬱の一歩手前までの症状は出てた。

自分の心がこういう状況になり鬱病で悩む人の気持ちを少しだけ分かれてた気がした。死にたいとか何もする気が起きないとか起き上がれないとか実際経験した事ない人間は何で???って思うけど、その理由は本人にも分からない。だから苦しい。だから楽になりたくなる。

どうしたら良いのかもわからない。治療を受けても簡単に治るものではないから根気も時間もいる。

Twitterで誰かが言っていたが

心の傷は早くて三か月で治る事もある。でも一生治らない事も多い。

本人も治したくて克服したくているのに心の傷って理不尽で本人の希望通りには動いてくれない。現に今の私はこの件が起こってから四か月経つがやはり不安定な日々を送っている

心の傷を癒すのは容易い事ではないのに、傷つけるのはなんと容易い事か

人は理不尽で身勝手だ

だけど人を救うのもまた人なのだ

だから私は人間が好きだ。どれだけ傷つけられても裏切られても。

ここからどんどん私の傷口は広がっていく訳だが、それでも人間が好きだと言える人間で在れるのは沢山の人がずっと支えてくれてくれたから。

愛すべきバカ

大好きだよ




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