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[アートな時間]ディミトリス・パパイオアヌーTransverse Orientation

久方ぶりに圧倒されるほど感激した舞台に出会った。
うまく言葉にできない位、圧倒的な美と人間の体の美しさ、ドラマチックで幻想的な演出。

ギリシャの演出家ディミトリス・ぺぺイオアヌーの作品のTransverse Orientation

世界観が凄すぎて、観た後からYouTubeで他の作品も漁るように観ているところです。

何がすごいって、ギリシャ彫刻そのままの肉体美と、15世紀宗教画のような演出。最初スーツを着た均整の取れたダンサーが現れるのですが、途中からほんと男女ともに真っ裸になります。普通だったらギョッとしてしまうんですが、あまりにギリシャ彫刻まんまなので、美しさしかありません。最後の方に、崩れた体系の中年女性がこれまた真っ裸で静かに登場するのですが、そちらの方が「え?ほんとに肉体?」って思ってしまうほどに、美しい均整の取れた肉体のダンサーが静かに演じます。
雄牛がまるで生きているかのように動くのですが、これも中国のお祭りの龍を動かすようにリアル。雄牛が象徴となって、おそらく受胎とか命とかを表現しているのですが、宗教画のようなシーンがたくさん出てきます。白黒の演出で、ほとんど色が出てこないところも、ハマスホイの絵画のようです。

そしてこの方、実は2003年アテネオリンピック開会式の演出家で、早速アテネオリンピックの開会式も観て見ました!
これもフルで映像がYouTubeに上がっていたので、早速鑑賞。
エジプト時代から現代まで絵巻物のようにダンサーが登場し、そして最後はビョークが歌い、宇宙飛行士が中継する。
世界観が凄すぎる・・・!圧倒的にもうこれはアート!
よくぞこの大人な世界をギリシャのオリンピックは開催できたなと思いました。
(日本だったら、こんな大人向けのアートな演出は潰されてそう・・・)

今までよくみた現代舞踊って、若干意味がわからないとか、退屈になってしまうことが多かったのですが、このディミトリス・パパイオアヌーさんの演出は、伝えたい事が割と伝わりやすいんです。なんでかな〜と思うと、どうやら経歴にマンガ作家という事が書かれていて、あ〜それで世界観がわかりやすく作れるのか、と納得しました。

自分で自分のことを、元々アートや芸術が好きな方だけど、そこまで感性が豊かではないと思っていたので、こんなに感動した舞台に出会えて幸せです。

は〜いいものって心が豊かになりますね。