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[アートな時間]近江八幡でヴォーリズ建築から昔を想う

気づいたら、自分の好きなものが近現代建築や民藝活動の時代だとわかってきた。そして、この時代を生きた人たちが好きなんだ、当時の文明がガラガラと変わっていく時代に、率先して未知の世界に飛び込んだ人たちが好きなんだと、近江八幡のヴォーリズ建築見学ツアーに参加して、改めて腑に落ちた。

明治・大正・昭和初期に日本にやってきて帰化した外国人、この時代に世界に飛び出した日本女性や 女性が職業を持つことが難しかった時代に切り拓いた女性の話を聞くのが好きだ。

まずは「はいからさんが通る」でも有名な大和和紀さんの「ヨコハマ物語」。年上のいとこからもらってどハマり。

二人の女性が、一人は横浜で激動の世の中を生き抜き、もう一人は片思いの人を追いかけアメリカまで単身渡米し、生き抜く。この逆境に負けない二人の生き様やこの明治の文明開花の時代背景が好きだった。

そして、最近読んで感銘を受けたのは「明治を生きた男装の女医-高橋瑞物語」

ここまでに、明治時代で女性が学歴を持つこと、専門職になることが困難の極みとは驚いた。この本のことはまたどこかで詳しく書きたいと思う。

そして、今回のヴォーリズと同じように、日本を愛し、日本の文化を発展させた民藝活動を実践した陶芸家のバーナード・リーチ。
この人の生涯を描いた原田マハ「リーチ先生」。これもよかった。
日本という未開の土地に飛び込もうとした勇気と、そこで日本文化や日本人との交流から日本人よりも日本の良さを発見し、そして見事に外国文化とマリアージュしていく様が素晴らしい。

そして、今回のウィリアム・メリル・ヴォーリズ。そしてその妻の一柳満喜子さんの生涯の話はとても素敵だった。
建築ツアーでは、建築の細かいつくりというよりは、ヴォーリズがいかに日本に、そして近江八幡に馴染んできたか、外国人であるヴォーリズと近江商人との出会い、同志社大学とのつながり、起業家として始めたメンソレータム、たねやのクラブハリエを作った山本一族との交流、軽井沢での美智子妃殿下(独身時代)との出会い、神戸女学院とのつながり、大丸心斎橋店建築から一柳満喜子夫人との出会いなど、こことここが繋がっていたのか!歴史に人ありだなと感じる。

その中で私はヴォーリズの妻となった一柳満喜子さんの生涯にとても惹かれた。華族出身のお嬢様だが、アメリカで9年も留学し、そして35歳でヴォーリズと結婚。その後キリスト教の信者として、そしてヴォーリズの良きパートナーとして自立した職業女性だったよう。ヴォーリズと一緒に映った写真が素敵だ。


新婚時代のヴォーリズ夫妻
晩年の夫妻。顔が似てきている気がする



最後にツアーガイドさんに 満喜子夫人の生涯が気になる、と伝えると、
「とてもいい小説がありますよ。満喜子夫人の生涯を描いた小説」と紹介されたのが「負けんとき:ヴォーリズ満喜子の種まく日々」玉岡かおる
こんなドンピシャな小説があるなんて!これはぜひ読みたい。
一柳満喜子夫人の兄は、朝ドラ「あさが来た」のモデルとなった廣岡浅子さんの娘婿だったそう。あの時代に9年もアメリカに留学している婦人の人生がとても興味深い。

また、ヴォーリズの生涯を描いた小説もあるそうで。
これは「屋根をかける人」というタイトルで「銀河鉄道の父」を書いた作者らしい。夫婦二人とも小説になってるってすごい。

建築ツアーなので、もちろんヴォーリズ建築は温かみがあって明るくて素晴らしかったけど、それ以上に日本の地に生涯住み続け、今も愛されているヴォーリズとその妻の人生に惹かれたツアーでした!(屋内の写真はSNS公開だめなのもあるので掲載してません)秋とGWにツアーをやっているのでおすすめです。
知識が湯水のように湧き出るガイドさんのお話がとっても楽しかった。
めっちゃ惜しむべくは、元々一眼レフカメラの練習も兼ねての建築ツアーだったのに、なんとカメラの電池を入れ忘れた・・・!
また来なければ!!!

一柳満喜子さんの祖先は近江八幡の大名。なんていう運命!
24歳のヴォーリズが近江八幡に降り立った時のトランク。
ホームシックで鬱っぽくなったらしい。めっちゃわかる


ヴォーリズが帰化した時の日本名。アメリカから来て留まる。メレルの漢字変換だけど、その通りの名前


満喜子さんが作ったヴォーリズ学園。美しく明るく清々しい。
学園に飾られている絵画。素敵夫婦


いいなあ
ヴォーリズ学園と満喜子さんの銅像


近江八幡の人に愛されたヴォーリズ。今も生花を近江兄弟会社の社員が毎日いけているらしい


最後は地ビールで締め!クラブハリエは売り切れてた。残念。

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