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コロナ禍で約1年半、ロックの歴史にどっぷりつかってきた。

先日、2020年6月末から受講していた『音小屋オンライン ロックヒストリー科』が閉講した。約1年半にわたって開かれた講座。こんなに長い期間、1つの講座を受講し続けた経験なんてないから、貴重な経験をしたと思う。

音小屋とは、雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』の元編集長であり、音楽雑誌『MUSICA』を発行する会社の社長を務める鹿野淳さんが主宰する音楽メディア人養成塾のことだ。

いつもはMUSICAの編集部がある下北沢のオフィスで行っている講座を、コロナ禍でオンライン開催にした上に、新しいコースとして『ロックヒストリー科』を設けたのだという。

私はこの講座を、2020年5月に星野源目当てで購入したMUSICAの背表紙で知った。純粋に音楽についてもっと知識を深めたいという気持ちもあったけれど、あの有名な鹿野淳さんにオンラインでも会えるならぜひ話を聞いてみたいというミーハー心と、当時憧れていた音楽ライターへの道が見えるかもという下心が合わさって、ロックヒストリー科の受講を決めた。


結果として、ロックの歴史はめちゃくちゃ面白かった。

ただポピュラー音楽として流れていたわけではなくて、そこにはちゃんとその当時の時代背景や政治の流れ、思想、世の中のいろんな要素が影響を与えて、1950年代にはロカビリーが生まれたし、1970年代にはハードロック、1980年代にはマイケル・ジャクソンがポップスターの道を進んで、今はBTSがマイケルに次ぐポップスターになろうとしている。

文章も絵画も音楽も、人間が表現するものには意思が表れる。だからこそ、歴史を掘り下げて学んでいくと面白いのだと思う。

1950年代の洋楽・邦楽から2010年代の洋楽・邦楽までを、音楽評論家の最前線で活躍する方に教えてもらえる経験なんてそうそうない。本当に良い経験ができたなあと思う。


そして、自分の進むべき方向性が見えてきたことも良かったと思う。

いつか音楽ライターに近い仕事をしたいなあと思っていたけれど、鹿野さんや他の受講生を見る中で、自分の行きたい・行くべきフィールドは音楽ライターじゃないと気づくことができた。いつか音楽や推しに関わる仕事はしたいけれど、そこが全てじゃなくても良くて、他にもやりたいことが沢山あったわという前向きな気づき。

これが得られたのも、とても大きかった。


でも、一番大きかったのは、音小屋オンラインがコロナ禍の心の支えの1つになっていたことかもしれない。

人類未経験のともすれば精神的に参ってしまいそうな状況の中で、大好きな音楽を通じてコミュニケーションが取れる仲間が1年半もいたこと。ライブに行けない悲しみや、音楽業界の苦しい状況への憂いを同じ目線で共感できる人がいたことが、純粋にありがたかった。

また状況が回復したら、絶対にリアルな場で音楽を楽しんでやるんだという想いを持ちながら、鹿野さんの話を聞いている時間がある意味で癒しだった。


もう講座がないのは寂しい気もするけれど、またどこかで講座の受講生や鹿野さんにお会いできたら嬉しい。

ライターは何でも仕事にすることができるし、もしかしたら学んだことを活かせる機会が出てくるかもしれない。

ロックの歴史にどっぷりつかったこの1年半は、大変な状況下に楽しみを見出した大切な時間だった。この経験を忘れることはないと思う。

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