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応援と導きが人を強くする

マラソンに挑戦

先週の日曜日に、10キロのマラソン大会に出場してきた。コロナになってから約3年、オンラインでの生活が続いて家から一歩も出ない日も続いたくらいの運動不足、もちろんジョギングなんて長い間していない。それどころか、買い物に行くのも面倒なほど、だらけきっていた。
そんな私が、ある日の朝、ベットの中から携帯で何気なく目に飛び込んできたインスタの広告に目が止まる。市が行うマラソン大会、家の前がルートだ。しかも、その参加費は学校の先生方への寄付にもなるという。
思わず、ポチッとしてしまった。衝動買いならぬ、衝動参加。
しかも10キロ。
5キロはなんかいますぐ走れそうな気がしたんだよね。
その時期に小学校で運動会の練習をしていたというのも、私のスポーツモードスイッチをオンにしてしまったのかもしれない。
ともかく、職場の同僚を無理やり誘って参加することにした。
一ヶ月後の大会へ。

大会に向けて

正直に言います。全く走る練習はしていません。10キロがどんなものかもわからないまま、時が過ぎて。
カリフォルニアは雨期に入り、連日の雨で大会予定日もしっかりと雨マーク。これは参加できないねーとなんとなく諦めモードになっていた。
大会3日前に、同僚からテキスト。
「そちらはどんな感じ?私の方は、ぼちぼち10キロ歩いたり走ったりしてるよ」

嘘でしょ?
「全然、まだ1キロも走ってない」
と打ち返したら
「は?」
と返ってきた。
ですよね、誘ったの誰だよってね。
慌てて、残り2日で5キロずつ大会予定ルートを歩いてみることにした。
キツ!
膝痛い、腰痛い。
これ、大丈夫かな。不安しかない。
大会前日にはゼッケンとTシャツを取りに行くことになっていたので、もう諦めモードで会場へ。
ボランティアの方々が元気に楽しそうにお揃いの服を着て、笑顔でゼッケンを手渡してくれた。
いっぱい励ましてもらった。
なんか、楽しくなってきたー!


当日の朝、8時寒い。
外は14度、トイレも近いし飲み物あまり飲まないでおこう。
友人と待ち合わせて、お揃いの大会Tシャツを着て会場へ向かう。大会Tシャツは着なくてもよかったんだけど、「今日着なかったら一生着なくない?」と友人に伝えてきることにした。
結果、着てよかった。
自分達のスタートの時間は8時半、二人で歩いて会場へ向かった。ものすごく大勢の人がいる!
1500人が集結。
会場の熱気でだんだん気持ちも盛り上がってくる。
音楽も「ドンツクドンツク」クラブミュージックで、DJもガンガン煽ってくる。
日本の厳かな「大会」の雰囲気とは違う、ノリノリの感じ。
ディズニーランドのキャストさんのような?
そこから一斉にスタートして、走り始める。
開始5分、もう膝が痛い。
でも恥ずかしくて友人に言えない。
頑張って20分は走り続けよう。

応援と導き

住宅街を走り続ける。
家の前に出て、カウベル(牛を呼ぶべる)などをかき鳴らして
「頑張って!!」と応援してくれる人。
家族総出で出てきて、太鼓を打ち鳴らしてくれる人。
「足を上げて!前を見て!どんなに辛くても一歩出せば前には進むのよ!」
と大声で叫びながら応援してくれる人。
辛い時に応援してくれる、自分達にアテンションを向けてくれるということがこんなに嬉しいことだと何故だかすっかり忘れていた。
いつの間にか、自分は”応援する側でされる側ではない”と思い込んでいたのかもしれない。
応援されるのが少し恥ずかしいような気がしていた(ドロップするかもしれないし)けれど、素直にこの応援の気持ちを受け取ることはとても大切なことだとしみじみ思った。
応援してもらっても期待に応えられないかもしれない、と自分で勝手に自分を卑下したりすることは、エゴなんだろうな。
オリンピックや大きな大会で成績を残せる人は、こういう応援してくれる人の思いを素直に受け取って、それを力に変えれる人なんだとそんなことを思いながら走り続けた。
坂道になってペースダウン。
もうすぐ10キロの半分かな、と思ったことに5キロレースのゴールが見えてきた。
思わず「このまま5キロでゴールしちゃおっかなあ」と呟いていた。
友人が
「だめだよ!後で絶対後悔するよ!ゆっくりでもいいから10キロがんばろう」
と、ぐいっと舵をきってくれる。
はい、ついて行きます。
折り返しのルートを最後のスパートで走っている人たちを見ながら、歩いたtり走ったりを繰り返す私たち。
路肩ではずっと応援してくれる人たち。
久しぶりに自分が主役なんだと、またもしみじみ考えている。
ゴールが見えてからも、後もう少しだからがんばろうと励まし続けてくれる友人。
こんなに応援されるのは久しぶりだ。
そして、応援と導きがこんなに心に直球で伝わるなんて。
いかに普段の自分が分析モードなのかがわかった。
今この瞬間を楽しんで、応援してくれる人に感謝して、導いてくれる声に従っていれば、それで幸せなのだと思った。
わざわざ疑ったり、卑下したり、利益を考えたりしなくていい。
10キロのマラソンは、膝の痛みを伴ったけれども、得るものも大きかった。
早速来年の申し込みもしようと思う、だって今なら10%引きだから。

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