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中国、朝鮮、ベトナム、日本――極東アジアの地政学

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 この本を読んでいたら、ドラえもんの世界がイメージされた。

 周辺を睥睨して憚らないジャイアンという中華中国に、自分も同類とすり寄るスネ夫という小中華を標榜する韓国、そして、疑うことを知らず世界は平和だとボケているのび太という日本、そののび太を現実に引き戻そうとするしずかは、アメリカか。
 そして、とっておき、のび太という日本をいざとなれば守ってくれる神風的な存在が、ドラえもん

 実際にはドラえもんはいないので、のび太のあやうさが際立つ。
 『日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る』にもあるとおり、神風と呼ばれた台風は、元を寄せ付けなかったといより、退散をダメ押しをしただけ。

 著者川島博之は、それもこれも極東アジアのそれぞれの国がたどってきた歴史によるトラウマだと言う。
 中国は、大昔から中華帝国という立場で、世界は中華という自分たちが中心であると考え、他は蛮族でしかない。もっとも、漢民族が中国を統一できていたのは明や今の中国共産党という毛、あるいは習帝国。それ以外はほとんどその蛮族とやらに支配された統一帝国=征服王朝だった・・・と。
 韓国朝鮮は、いつも北から襲われる運命で、そのたびに領民を捨てて王族は島へ逃げ、すぐに恭順してそして自分たちを小中華と称して、中国同様他を蛮族と見下ろしている。
 日本も蛮族の一つなので、小馬鹿にするは約束は守らない、は、あたりまえ。これは中国も同じで、なおかつ、強気に出ないと権力から引きずり降ろされる恐怖があると言う。

 日本は日本海という大陸と離れすぎず遠すぎない海を挟んでいるおかげで侵略の悲哀を受けずに済んできた実に幸運な国だと言う。

 朝鮮と似た国にベトナムがある。やはり北、特に中華帝国に何度も侵攻されて、そのたびにベトナム戦争時もそうしたように、ゲリラ戦で対抗してきたそうな。朝鮮と異なるところは、抵抗したというところ。
 もっとも、朝鮮は国土的にゲリラ戦には不向きではあったそうな。
 いずれにしても、元は南越だったベトナムが中華帝国に越南とされたというように、結果的には強国に恭順しはした。

 こうして見ると、風水ではないけど、どこにあるかで、国さえもあり方が変わってくる。

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