アラフォーおじさんがフェミニズムについてガチで語ってみた

 今回読んでみた本はこれである。女性誌に連載された文章を単行本化した本で、フェミニズムの現代的なトピックが網羅できるといった内容だ。

 私がフェミニズムにおいて特に重要だと思った考え方は、他人に自分の身体を支配(コントロール)されない権利だ。

 これは自分で自分の身体について決定できる権利と言い換えることもできる。この権利が特に重要になってくるのが、妊娠・出産にまつわる事柄だ。

進んだが後退した性教育

 自分で自分の身体を守るためには、そのための知識が必要である。しかし、日本ではそのための性教育が遅れている。

 例えば、日本の性教育では90年代に、どんなことを行ったら妊娠するのかという性行為への言及が広まりつつあった。しかし、2000年代になると、安倍晋三をはじめとした自民党の右派グループの運動により、性行為の言及は「過激な性教育」というレッテルを貼られ、後退することになった。

バイアグラは簡単に認可されたのに

 また、性教育をソフト面だとすると、ハード面も遅れているのが現状だ。例えば、望まぬ妊娠を防ぐための避妊用ピルは、他の先進国では薬局で買えるのに、日本では産婦人科への受診などが必要だ。また、費用も高額で気軽に買える値段ではない。
 
 これも一部右派グループの「性の乱れにつながる」という到底理解できない理由で、認可が厳しくなっている。バイアグラは申請から半年で認可されたのに…。

日本の危険な中絶方法

 日本では望まない妊娠で中絶を行う際に、パートナーの同意が必要だ。これは未婚の女性にも求められる。自分の身体のことを、自分の意志で決定できないのである。
 
 また、日本ではその中絶のやり方に関しても遅れている。日本では掻把法という子宮の内部を掻き出す方法が取られているが、海外では薬を飲むことで中絶できる方法が多く採用されている。後者のほうが、女性への身体への負担は小さい

女性が自分で身体を守る権利

 女性の「私の身体は私のもの」と考える権利のことを「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」と呼ぶ。しかし日本では、この権利が充分に保証されていないということだ。ソフト・ハードの両方の面で遅れを取っている。世界ジェンダーギャップ指数で125位なのも納得だ。

 私はやれやれという感想を持つ他なかった。

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