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おやすみの前のおしゃべり【色付きファイルと希少性のお話】



心がときめくものって、年齢を重ねてもそう変わらないのかもしれない。



月に何度かやりとりをする担当さんの顔は知らないが、彼のちょっとした遊び心なら知っている。

ペーパーレス化が叫ばれる昨今だけど、田舎ではまだまだ紙面が主流の世の中、郵送で送られてくる書類を待つ時間は多い。いつものおじちゃん配達員さんから大判の封筒を受け取って開けると、目的の書類が入っていた。先日「発送しました」のメールが届いたからそろそろ届くころだと思っていたのだ。


しかしわたしの心をときめかせるのは紙の方ではなく、それを入れたファイルの方だった。

クリアファイルと言えば挟んだものが透けて見える透明のお馴染みのやつを思い浮かべる人も多いと思うけれど、その担当さんは必ず「カラーファイル」で送ってくれる。


ピンクや黄色、青に緑。よく参考書なんかについてる緑と赤のシートと同じような色味の、綺麗な透明のファイル。それが届くと、日々の味気ない白黒写真が急に華やかになるような、そんな嬉しさを覚えるのだ。

それは小さい頃にたくさんの色が入った画用紙を買ってもらった時みたいに、30色の色鉛筆セットを買ってもらった時みたいに。


色があるって、それだけで気持ちが華やぐ。

たとえばそれを送ってくれる担当さんが噂では相当の強面だと聞いても動じないくらいに、ときめきが心を満たす。




とはいえギャップは萌えですが。




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