そして透明は鼓動をはじめる。 #月刊撚り糸
それなりに格好の付きそうな言い訳を並べたところで、反則的に漏れた本心を上回りはしない。
瞬間的に弾き出された答えがすべてであり、あとに何を塗り重ねても必要以上に湿り気を帯びるばかりで、根腐れさえ起こしそうな気配に思わず溜息を吐いていた。
二階へ続く階段の中腹で足を踏み外したとき、咄嗟に「辞めよう」と決めた。それは脈絡もなく、だが妙にくっきりと私の中に居座り、見ないふりもできそうになかったから病院の帰り道に簡素な便箋と封筒を買った。
何度か書き損じてもいいように、二