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月刊 撚り糸

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毎月7日にテーマに沿った小説を公開します。また同テーマにて創作を募集し、一緒に楽しめたらと思っています。3月のテーマは『その角を曲がったところに』です。
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#ずっと前から知っていました

#月刊撚り糸 12月のテーマ『ずっと前から知っていました』公開しました。

毎月7日にテーマに沿った小説を公開します。また同テーマにて創作を募集し、一緒に楽しめたら…

七屋 糸
2年前
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ずっと前から知っていました (#月刊撚り糸 & #2021クリスマスアドベントカレンダ…

「ずっと前から知っていました。今日ははっきり言います。大輔君、あなたがサンタクロースだっ…

三日月夜に溶けゆく想い #月刊撚り糸 (2021.12.7)

「入籍するの、もう少し延ばしてもらえないかな?」 真帆がぽつりと呟いた。 「どうして?」…

百瀬七海
2年前
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青色のおままごと #月刊撚り糸

そろそろだと思いました。 そろそろいい頃合いだと。 木曜日の午前十時きっかり、私はあなたの…

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知っていた、信じてた。 #月刊撚り糸

 海を眺めて生物の歴史を知る、空を仰いで世界の小ささを知る、そんな高尚な人間にはなれなく…

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#月刊撚り糸 ずっと前から知っていました。

 目覚めた時泣いていた。  涙が溢れて止まらない。  枕はびっしょり濡れていた。  その理…

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そして透明は鼓動をはじめる。 #月刊撚り糸

 それなりに格好の付きそうな言い訳を並べたところで、反則的に漏れた本心を上回りはしない。  瞬間的に弾き出された答えがすべてであり、あとに何を塗り重ねても必要以上に湿り気を帯びるばかりで、根腐れさえ起こしそうな気配に思わず溜息を吐いていた。  二階へ続く階段の中腹で足を踏み外したとき、咄嗟に「辞めよう」と決めた。それは脈絡もなく、だが妙にくっきりと私の中に居座り、見ないふりもできそうになかったから病院の帰り道に簡素な便箋と封筒を買った。  何度か書き損じてもいいように、二