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書き綴る日々への贈りもの

 こんばんは、一福千遥です。
 2021年の幕が開けました。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。

 さて、本日は『創作にドラマあり』というテーマで、すこし(?)創作語りをいたします。

 当方、趣味と言い張りちまちまと小説を書き続け、それなりの年数が経っておりますが、

「かわいいから、とか、心惹かれるから、という理由でなんとなく購入した雑貨からネタをいただく」
「書いている、あるいは書こうと思っている小説に必要な道具や小物、情景や人物像の参考になる以上にイメージそのままの写真や絵画に何気なく出くわす」

 瞬間に、いつもドラマを感じています。


 たとえばこちらの、ランプと折本の写真。

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 これは数年前、神奈川は相模原にある海福雑貨さんをはじめて訪れた際に(なんだか気になる)と購入したフェーヴ(フランスの焼き菓子に入れ、運試しに使われる、とてもちいさな陶器製の置物)です。
 そこから一年後、ネットプリント企画としてペーパーウェル01開催告知の報を見、この陶製のランプとひととの邂逅を描いた折本掌編集『Ra lamp』で参加することが叶いました。

 海福雑貨さんで衝動買いした小物からできた折本の短編集はもうふたつあります。

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 かつてエンブレムだったというこの金の羽が、午後の光にちかりとまたたいたのにひと目見て惹かれ問答無用で購入していましたが、やはりこちらもペーパーウェル03に参加した『パライス・イェスミラ―金羽譚―』と『金羽譚―パライス・イェスミラ―』という、気まぐれ風に乗り、ひとひらの金の羽を落としていくパライス・イェスミラという架空の翼持つ生きものと、文綴るものたちの物語をまとめた折本を書くきっかけとなりました。

 こうしたかわいいものたちとの出逢いのほかにも、
「寮の食堂のおばちゃんが出てくるシーンを書いたあと、普段はめったにつけないテビをつけたら、社員食堂のおばちゃんが映し出された」
「霧に覆われていて西洋風の廃村寸前の過疎の村という設定だけど、具体的なイメージが湧かない……とうなっていたら、たまたまスクリーンセーバー代わりに流されてきた風景写真のなかで、これだ! と思う一枚に出くわして、そこからするすると書けるようになった」
 という偶然に出くわすことも、ままあります。
 こういう、ほんとうに偶然、とか、たまたま、としかいいようのない出逢いについては、「ああ、このままこの小説を書いていいんだ」と、だれかなにかに許されたような気持ちにさせてもらえます。そして、どんなにシリアスな物語でも、ちゃんと自分は書きとおせる、だいじょうぶ、という芯をひとつ通してもらえたような気がしてくるのです。

 ……ささやかな、あるいは、私にのみ好都合な思い込みでしかない出逢い。
 それを重ねてこられたから、私はここまで書き続けることができたのかもしれません。また、そうして書いてきたものに、少しずつ感想をくださる読者のみなさまとも出逢うことにつながって、どこかホッとしている私もたしかにいます。

 さてさて、今年はどんな出逢いが待っているのでしょうか?
 気負わず構えずゆったりと、物語を書き歌を詠いながら、「偶然のひょんなことからの出逢い」はいつ訪れるかな、と楽しむことに致します。

 当方の想うことをそのままに書きしるしましたこの記事が、ひととき、みなさまの初春の娯楽になりましたなら幸いです。

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