21-22シーズンのマンチェスター・ユナイテッドを振り返る。
21-22シーズンのユナイテッドに皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか、おそらくいい印象をお持ちの方はほとんどいないのではと思います。
結果的に見てもPLの開幕後二番目に低い6位でのフィニッシュ、更に得失点差は±0、少なくとも好調のチームの成績とは言い難く、そんな今シーズンを今更ながら振り返ってみたいと思います。
新たな黄金期の到来とも謳われた序盤。
今シーズンのユナイテッドの滑り出しは少なくとも悪いものではなかっただろう。昨シーズンは首位のシティに大差をつけられたとはいえ2位でフィニッシュ、チームとしては悪くない状態で今シーズンを迎えたのではないか。
さらに補強ではドルトムントからFWジェイドン・サンチョ、レアル・マドリードからDFラファエル・ヴァランをシーズンオフに獲得、多くのサポーターが12-13シーズン以来のPLの優勝トロフィーの奪還を夢見たことだろう。
その期待に答えるように開幕戦のリーズ戦はB・フェルナンデスのハットトリックもあり5-1の大勝、サウサンプトンとの引き分けを挟んだものの一時は首位に立つなど今シーズンの躍進を期待させた。さらに8月28日、クラブはクリスティアーノ・ロナウドの11シーズンぶりの復帰を発表、サポーターはレジェンドの帰還にさぞ歓喜したことだろう。その期待に答えるように彼は復帰戦のニューカッスル戦で圧巻の2ゴールを披露する。
上々のスタートを切ったチームに立ち込める暗雲
一時は首位に立つなど上々の滑り出しを見せたチームだったが少しずづ暗雲が立ち込める。カラバオカップはウエストハムに対して圧倒的な攻勢を見せながらも序盤に奪われたゴールが仇となり0-1で敗れ3回戦で姿を消すことになる。さらに直後のPLアストン・ヴィラ戦も0-1で敗れ、事実上の連敗を喫する。
またレスター戦、リヴァプール戦、さらにマンチェスター・ダー
ビーと重要なゲームを落としてしまう。
そして11月21日のワトフォード戦に1-4で敗れた事によりクラブはオレ・グンナー・スールシャール監督を解任、暫定的にこちらもクラブのレジェンドであるマイケル・キャリックが指揮を執ることになる。
個人的には彼の指揮した3試合はとても見ていて面白いものだったと感じた。スールシャールが度々指摘された戦術性の希薄さをあの短い時間で改善の方向へ向かわせた彼の手腕はまだまだ見ていたいと思わせるところがあったことは言うまでもないだろう。
ビジャレアル、チェルシー、アーセナルと強豪との3試合を2勝1分で切り抜けたキャリックは正式な暫定監督として就任したドイツ人指揮官ラルフ・ラングニックへ素晴らしいバトンを繋いだ。
新指揮官への期待と現実
ラングニックの就任も当時のサポーターにとっては明るい話題だったに違いない、「ゲーゲンプレスの生みの親」という肩書を何度目にしたことだろうか。その言葉に私達サポーターは心を踊らせていた、実際彼にとっての初戦となったクリスタル・パレス戦で見せた統率の取れたプレスを強く覚えている人も少なくないのではないかと思います。
悪くはないスタートを切ったラングニック政権のユナイテッド、UCLのGSの最終節ヤングボーイズ戦を引き分け、グループを首位で突破することに成功した。しかし中々序盤の勢いを取り戻すことはできなかったことで中々連勝で波に乗れずに上位層に離され始めてしまう。
FAカップも2部のミドルズブラにPK戦で敗れ、4回戦で姿を消してしまう。
しかしリーグではHOMEヴィラ戦からHOMEワトフォード戦までの9試合負けなしと、ラングニックのストロングポイントである守備面では改善されていることがうかがえる。
しかしここぞという場面で守りきれない勝負弱さ、後半の失速などの課題が浮き彫りになってしまった。
UCLでもラウンド16で2戦合計1-2でアトレティコ・マドリードに敗北し、姿を消すことに。
ここでやはりラルフ・ラングニック監督の課題として、"ビッグクラブの指揮経験がない"ということが挙げられるだろうか。やはり今まで率いたクラブとはサポーターの数も桁違いであり、のしかかる大きなプレッシャー、サッカーのエンターテイメント性、さらには求められる結果も自ずと高いものになってしまうのは容易に想像できる。
ドレッシングルームの空気感というのも問題の一つだっただろうか。リーグが終盤に入るとチームの成績は悪化の一途をたどる。降格圏のエヴァートン、リヴァプール、アーセナルに立て続けに敗れ、ラングニックはロッカールームのプロ意識の欠如などについて嘆いた。
明らかにチームとしては最悪の状況で、ELの出場も危うい成績にまで落ち込んでしまった。
そんな中4月21日、クラブは22-23シーズンからエリック・テンハフ監督が指揮を執ることを発表。
22-23シーズンの躍進に大きな期待が寄せられた。
新監督発表を受けてもなおチームの調子は上がらず、37,38節のブライトン、クリスタル・パレスに連敗し、後味の悪いシーズンの幕引きとなった。
来シーズンの展望
テンハフ政権1年目となる22-23シーズンのユナイテッド、スールシャールの戦術性の欠如したサッカー、ラングニックが監督になって大きく変わったようには感じられませんが、その基礎も土台もない状態からチームを作り上げる難しさは想像を超えるはずです。だからこそ私達サポーターは我慢強く、まずは来シーズンのCL圏の確保に向けて応援していきたいと思います。
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