見出し画像

お米作りを取り巻く環境環境

こんばんは。しょうです。
本題に移る前に、米農家の現状についてもう少しお伝えします。

準主業農家と副業的農家

準主業農家・副業的農家という用語を聞きなじみのない方が大多数だと思います。では、専業農家・兼業農家はどうでしょう。こちらはご存知の方が多いと思います。専業農家・兼業農家という分類は昭和から採用された、かつての分類方法です。しかしこの分類では年齢を考慮しておらず、この分類から農業において課題となっている「高齢化」や「後継者不足」といった問題に対して適切な解決策を見出すには不十分な分類だといえました。そこで、政府は新たに年齢を考慮した分類を行いました。それが、以下の分類です。

主業農家
農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、1年間に60日以上
自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家
準主業農家
農外所得が主(農家所得の50%未満が農業所得)で、1年間に60日以上
自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家
副業的農家
1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない
農家(主業農家及び準主業農家以外の農家)

注)今なお、専業農家・兼業農家という分類もされることはありますので、使用しても問題はありません。

引用:[用語の解説] - 農林水産省:閲覧日2021年8月13日

つまり、ざっくりとしたイメージは
主業として農業をやっている → 主業農家
副業として農家をやっている → 準主業農家、副業的農家

副業としてやっていて後継者(若者)がいる → 準主業農家
副業としてやっていて後継者がいない    → 副業的農家

となります。

専業農家・兼業農家などの新しい分類についてさらに詳しくまとめてくれているサイトがありましたのでご紹介しておきます。
【解説】専業農家と兼業農家。その分類はもう時代遅れ?

副業的農家、準主業農家が多いお米農家

お米作りは日本人が生きていくうえで欠かせない産業であり、かつては日本では自家消費分を賄っていた田んぼを先祖代々引き継いでいました。そして昭和から平成にかけての経済成長に伴い、他産業への就業機会や都心部への人口流出が急増し、兼業農家が増えました。

そして現代では、兼業農家の担い手不足が深刻化し、副業的農家が増加、米農家は減少しています。我々の地域でも65歳以上の副業的農家が多く、準主業農家も50代の方が多い傾向にあります。

過去15年に焦点を絞っても、水稲における経営体数は右肩下がりとなっており、日本のお米づくりに活気がなくなっていることを物語っています。

画像1

資料:農林業センサス(2005年,2010年,2015年,2020年)

製造原価が安いお米と高いお米

これまでのお米作りを取り巻く環境を踏まえて、我々が今年お米を販売するために、コスト算出してみてわかったことがあります。それは、お米には製造原価が高いお米と安いお米があるということ。

これはどういうことか説明します。結論から言うと、小さい田んぼではコストが高くなり、大きい田んぼでは安いコストでお米が作れるということです。一見、当たり前のことだと思いますが、実際にコスト算出するとその差は歴然で、製造原価は倍近く変わってきます。

では、大きく始めればよいではないかと思います。しかし、日本のお米生産は零細規模の家族経営が多い傾向にあり、各田んぼが小さく区切られてしまっています。そのため、仮に大規模で始めようと思い、田んぼの規模を大きくしようと思っても複数人から農地を借り(買わ)なければなりません。また、仮に借りることができたとしても、各田んぼごとに高さや土質が違うことが多く、田んぼをつなげた後、均一にするためには莫大なコストがかかります。

では、奮発していきなり大きな農業機械を入れてしまうのはどうでしょう。これも田んぼ一枚一枚が小さいと、大きな機械では小回りが利かないため、むしろ身動きがとれなくなることが考えられます。これらの要因から、小さな田んぼでお米作りをしているお米農家さんは小規模経営から抜け出すことができず、製造原価の高いお米を作らざるを得ません。

製造原価が高いお米の将来

では、製造原価が高くなってしまう小さい田んぼのお米はどのように販売する必要があるのでしょうか。

赤字覚悟で農協へ卸すことやスーパーの相場で販売することは簡単です。

しかし、業を行うためには経営を黒字化しなければ持続的ではありません。仮に小さい田んぼでも黒字化できなければ、若者がますますお米作りから離れて行ってしまいます。解決の糸口は、製造原価が高いお米は高い価格で販売することにあると思います。

次回に続きます。

オンラインショップはこちらから



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?