薔薇の体温、君の香り

https://youtu.be/V7Gl0dHR6Ys

赤い薔薇の花弁が、黒く染まって落ちた。
目に映る赤と黒、鉄と潮風の香り。
どんなにどんなに叫んでも、枯れないツラさが。
もうキツいんだよね。

大切なモノを吐き出して、透明で冷たいモノが僕の中で鮮やかに塗り変わる。
簡単には忘れさせてくれない想いがそこに。
それを薄めて、"普通の"愛に溺れたい。

?xxx202?'d, εHSP

鳴り止まないコール音の中、自然と意識が遠退いていく。

数ヶ月おきに別れを告げていった熱帯魚たち。もう、誰もいない。僕を必要とするものが。もうこの世に存在しない。

電解質と水分と薬物が強制的に入ってくる。僕は、意識が遠退いていく瞬間を好み、これが快楽だと誤認した。

早く! 僕の意識を!!


冷たい棘が刺さったまま、手背の痛みが胸に響く。寒くて、その言葉が鋭くて、痛い。
温かさに包まれて、掌が溶けるように愛が溢れた。暖かくて、その言葉が優しくて、それでも痛い。

どちらも、ほんとうだったんだ。君が僕の前に現れてから、ずっと。この痛みも、僕はこれまで知らなかった。

目に映る花の香り、聞こえる花の色、
触れられない君の体温。

"普通の"愛に触れて、しあわせになってー

ほんとうだったよ。ほんとうに。


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