祝祭と予感　恩田陸

あらすじ

「蜂蜜と遠雷」のスピンオフ作品にあたります。「蜂蜜と遠雷」の後に読むことをお勧めします。
コンクールに登場した人たち、亜夜、マサル、塵、ナサニエル、三枝子、菱沼、奏、ユウジがそれぞれ登場する短編６話構成です。それぞれの出会い、その後、新しい出会い過去と未来が織り交ざっているお話です。

ここからネタバレ含む感想

６篇、それぞれ面白く読めました。コンクールの入賞組のその後、亜夜とマサルと塵、それぞれ才能の持ち主なのでその後どのように成長していくのか気になりました。
それから、ナサニエルと三枝子、何かありそうな二人ですが、最初からナサニエルのぞっこんだったんですね。コンクールの時はとても気難しそうだったのですが、三枝子との話やマサルとの関係など意外と人間味あるれる人でちょっとイメージが変わりました。
このシリーズ、これで終わりなのかなと思うと少し寂しいので、10年ごとくらいに、その後の続編があると嬉しいなぁと思いました。三人の今後も気になりますし、それから、自分のビオラと出会った奏で、その後、楽器とともに成長していくお話も気になりました。
それぞれの話は短編でサラッと読めるくらいのものなのですが、行間、その前後にいろいろ物語が隠れていそうな感じでとても想像力が刺激されるお話でした。