昨日のカレー、明日のパン 木皿泉
あらすじ
夫亡きあとそのまま義父と暮らしているテツコ、そんなテツコには同じ職場に勤める恋人の岩井がいる。岩井からプロポーズされたテツコだったが結婚には前向きになれなかった。
テツコの話から始まる連作8話です。
ここからネタバレ含む感想
テツコ、テツコの夫一樹の幼馴染タカラ、山へ登るギフ、一樹の従弟の虎尾、テツコの恋人岩井、一樹の母の夕子、ギフと岩井、そして一樹とテツコの出会いと連作で話がグルグル回っているような物語でした。
みんな少しずつ心に傷のようなものがありそれを抱えたまま生きているでも、そんな傷もいつの間にか古傷になって薄い皮が再生してまた人は活動を始める…そんな気分になりました。
木皿さんは夫婦で脚本家をしているそうなので、男目線、女目線と目線も少し違うのかなという印象を受けました。ドラマにもなりそうな…とおもったらちゃんと2014年にドラマ化されていました。さすが、脚本家。
小説自身も本屋大賞2位を受賞しているだけに読みやすいけど深く考えさせられる作品でした。