合理的にあり得ない　柚月裕子

あらすじ

元弁護士の上水流涼子は、ある事件の為弁護士資格をはく奪されて、探偵業を始める。相棒は、IQ140、東大出身の貴山。二人で依頼人の希望に応じて法律スレスレのヤバい案件を扱っている。

ここからネタバレ含む感想

元弁護士なので法律には強い、その強みを生かして、秘密裏に持ち込まれる依頼をバッサリとさばいていく。悪徳不動産、悪徳コンサルタント、賭け将棋、孫娘の救出、野球賭博詐欺などいろいろな犯罪に片足突っ込んでいるような人たちを手玉に取ってやり込めていく様はとても痛快で面白いです。
すごくドライだけど涼子のことに関しては心配性の貴山と涼子のコンビは程よいバランスで面白いです。
涼子の過去については、触れられていないのかなと思っていたらそれもちゃんと物語中で語られていました。そして、貴山がなぜ涼子のアシスタントになったのかそのエピソードも語られているので、短編集としてだけでなく楽しめると思います。
ちょうどテレビドラマが始まったのがきっかけで読み始めたのですが、物語のアプローチがテレビドラマとは全然違っていてドラマはドラマ、小説は小説として楽しめると思います。