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検事の死命 柚月裕子


あらすじ

佐方貞人シリーズの短編4話。
前作に引き続き検事時代の佐方の物語です。続き物になっているので前作「検事の本懐」を先に読むことをお勧めします。
郵便物が紛失するという話を聞いた佐方は中央郵便局へ紛失の状況を確認するように事務官の増田に言う。状況の確認をした佐方の元へ郵政監察官からの連絡が入るが…。


ここからネタバレ含む感想

1話目の「心を掬う」は割と軽いお話ですが2話目「業をおろす」は佐方の父が獄中で死亡することに至った真相が明らかになるお話なので先に前作を読んでから読むことをお勧めします。前作に出ていたお話にさらに裏の話がありなかなかやりきれない気分になりましたが、当事者の和解ができたので佐方にとってはよかったのではないかと思います。
3話目と4話目は連続シリーズになっていて、ある痴漢事件の犯人を追い詰める話です。ただの犯人ではない上に、目撃者もなし、被害者と加害者の証言も食い違っている状況でどのように真相に進んでいくか。最後は、加害者側の安易な行動が自滅へ向かわせるので、加害者その後どうなったか…きっといろいろ大変な状況におかれるのだろうな…と推測しました。どきどきしながら読み進めましたが最後はスカッとスッキリ決着がつくので気分よく読み終われます。
上司の筒井がよいファインプレーをするのですが、第一作の中で佐方とは決別してしまっているのが残念です。縦割り社会の宿命なのですかね…。

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