記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

パレートの誤算 柚月裕子


あらすじ

津川市の臨時職員牧野聡美は、生活福祉課で勤務している。社会福祉士と児童福祉司の資格を持っていた聡美は社会福祉課か児童福祉課に配属されると思っていたので意外な配属だった。しかも、課長からはケースワーカーとしての仕事も覚えるように言われる。そんな中、生活福祉課の中ではベテラン職員の山川が殺害されるという事件が起こる。収入に見合わないくらい高価な腕時計をいくつも持っていたと警察から聞かされ聡美は山川が不正を働いていたのでないかと同僚の小野寺ともに密かに調査を行うが…。


ここからネタバレ含む感想

柚木さんの作品らしく、社会派ミステリーです。
舞台は、生活福祉課、ここは生活保護を扱っている部署で、この部署のベテラン職員の山川が殺害されたことから、山川が何らかの不正を働いていたのではないかと調査を始めます。そんな中、殺害された職員の訪ねていた場所に兄の同級生が生活保護を受給しながら住んでいて、現在行方不明になっていることを知ります。同僚の小野寺と調査を進めると山川が何かやっていたのではという疑惑が濃くなり…。
と、ヤクザと役所の職員の癒着、そこから生活保護費の不正受給へと話がつながりますが、なかなか真相まではたどり着かない、本人たちには真相が見えていないのだけれど、犯人は自分が追い詰められていると考えてあの手この手で調査を継続しないように手を打ってきます。そして、決定的と言えるような証拠を手にして、刑事に渡そうとしたときに、聡美自身に危険が迫る…というように話が進んでいきます。
最後の小野寺の用事とか、少し不自然さはありますが、証拠を手にしたところから事件が急に動きを見せて急転直下で解決に向かうんだけど、黒幕があまり黒幕っぽくないところがポイントなのかな…。
個人的には、そもそも役所の臨時職員なら、特養の正規職員を選ぶよなぁと関係ないところに引っ掛かりながら読んでいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?