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あしたの君へ 柚月裕子


あらすじ

望月大地は裁判所職員採用総合職試験に合格してこの春から家裁調査官に採用された。現在は、研修中は家裁調査官補、通称かんぽちゃんと呼ばれる。
研修先の福森家庭裁判所で大地が最初に面接したのは鈴川友里17歳、罪状は窃盗。面接でもほとんどしゃべらない友里に対し、大地は家庭訪問を行うが登録されている住所はネットカフェだった…。


ここからネタバレ含む感想

家庭調査官の担当する案件は、少年事件と家事事件に分かれる。改定調査官補の大地は、最初は少年事件担当、それから家事事件担当にあたる。
話では、少年事件が2話、地元に帰省した1話、その後家事事件2話の構成になっている。
法律畑出身の大地は、法律以外のことは全くの素人で相手に向かい合うので果たして自分がこの仕事をしていてもいいのだろうかという葛藤が全編を通して感じられる。
それでも相手と面接をして時には、相手の生活環境を調査して1件1件これでいいのかと迷いながら進んでいく、そんな成長の様子がよく描かれています。
大地が担当した案件を通して、現在社会問題になっている見過ごされている貧困、ストーカーになった加害者の家庭環境、モラハラ夫との離婚問題、離婚時の親権問題などについても丁寧に描かれている。
いろいろな意味で、考えさせられる作品でした。

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