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検事の本懐 柚月裕子


あらすじ

佐方貞人シリーズの第2弾。検事時代の佐方を描いた短編5話。
連続放火事件の犯人を検挙できない署長の南場は、同期で出世頭の佐野から人前で度々嫌がらせを受ける。そのため、容疑者を見つけたが佐野に邪魔されないように検察官の筒井に協力を願い出る。そんな南場の願いを聞いて筒井は担当を佐方にするが、佐方はある主張をする。


ここからネタバレ含む感想

第1作目は長編だったので、このシリーズは重めの長編シリーズかと思って開いたら短編集でした。調べてみたら1作目以外は、短編集でした。
さて、今回のお話は検察官時代の佐方が登場するシリーズです。佐方本人が語ることは少なく、第1話は警察署長の南場、第2話は佐方の上司筒井、第3話は佐方の同級生弥生、第4話は検察事務官の加東、第5話はフリージャーナリスト兼先とそれぞれの視点で佐方を描いていくのであまり語らない佐方の人間性、検事としての姿勢などが浮かび上がってくるような構成になっています。
時系列は、順通りではないので時系列順に読むとまた違った印象を受けるような気がします。(今回はやっていませんが…。)
最終話の第5話はいろいろ噂のあった佐方の父の事件の真相で、個人的に佐方は事件の真相を知らなかったのではないかと推測していたのですが、そうではなかったということがわかりました。父の後を継いで弁護士になるのではなく検事になったのは父の事件が深くかかわっていたのではないかと感じました。
短編集ですが、1話、1話わりと重めの話が多いので心のゆとりのある時にお勧めします。

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