ささやかな願いが叶った瞬間

私はある時期から一人で果てしなく歩き続けることが好きになった

年末クリスマスのイルミネーションの中を歩きながら

「彼と一緒に歩けたらよかったな…」なんて思っていた。

ーーーそれから1カ月くらい後、
レッスンが終わってから階段を下りていく彼の背中が見えたので
話し掛けてみた。

「今日のあのセリフ良かったです」

「本当ですか。何パーセントくらいでした?」
彼は嬉しそう。

1階に着いて、端で二人で話始めた。

するとSさんが会話に入ってきた。

それから会話が楽しすぎて、誰もがこのひと時を終わらせまいと
必死に話を続けているのを肌で感じた。

30分近く話して、さすがにそろそろ解散という空気になったところ
彼が電車に乗らずに一駅歩くと言うので
私も勇気を出して着いていくことにした。

私たちがそんなに仲が良いとは周囲は思ってないので
異様な光景だったと思う。

駅まで歩くとかなり遠い。

20分くらいの間
彼と隣で歩くことができた。

歩いている途中、目の前にキラキラしたイルミネーションが現れた。
冬の冷たい空気の中を彼と隣で歩けるなんて思わなかった。

叶うわけがないと思っていたささやかな願いが
一カ月の時を経て叶った瞬間だった。

ツインの彼との間には時々こんな魔法のようなことが起こる。






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