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ГУМ (グム)の思い出


クリスマスが近づくこの時期になると、私はいつもロシアで過ごした冬を思い出します。
日本と違い、ロシアのクリスマスは1月7日まで続くので、12月25日を過ぎても街じゅうがクリスマスの美しいデコレーションやイルミネーションで華やかに彩られています。

冬のロシアを訪れた私が真っ先に訪れていた場所の一つが、モスクワの赤の広場にあるГУМ(グム)デパートでした。

初めてグムのクリスマスデコレーションを見た時の感動は忘れられません。
その年、2016年のクリスマスデコレーションは、モスクワのルビャンカ通りにあるジェーツキー・ミール(Детский мир)というロシアの老舗のおもちゃ屋さんとコラボレーションしたものでした。展示されていたのは、クリスマスツリー(ロシア語ではヨールカ・Ёлка)だけでなく、ソビエト時代の沢山のレトロなクリスマス飾りや、ポストカード、可愛らしいお面、聞こえてくるのは当時流行った歌謡曲で、そこはまるで私が憧れつづけたソビエト時代のノスタルジックな絵本の中の世界のようでした。
全てが夢みたいにきらきらとしていて、可愛らしくノスタルジックな雰囲気に満ちていて、当時、ソビエト時代の絵本やイラストレーションに強い興味を持っていた私は、夢中になって写真や動画を撮ったのを覚えています。
(私が訪れた2017年、2019年の写真をいくつか掲載します。因みに、2019年のテーマは宇宙で、ソビエト期から続く「Спокойной ночи малыши! おやすみなさい子供たち!」という番組のキャラクターとコラボレーションしていました。)

С Новым годом!(新年おめでとうございます!)を捩った、С Новым  "ГУМ"ом(新しいグムおめでとうございます!) のプレートも強く印象に残っています笑

戦争やコロナ禍の為か、ここ近年は以前と比べて装飾が簡素になってしまった印象がありますが、今もグムのクリスマスデコレーションの伝統は続いています。
毎年テーマの変わる装飾の今年のテーマはグジェリ(Гжель)陶器のようです。ロシアを代表する伝統工芸の一種で、白地に青の華やかな模様が美しいグジェリをモチーフにした今回の装飾デザインは、新年にぴったりだと思います。

最後に、またいつか、ロシアでクリスマスを過ごせる事を願っています。そして今この時も苦しんでいるウクライナの方々に平和で穏やかなクリスマスがまた一日も早く訪れますようにと、願ってやみません。

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