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いちばん堂のデザインノート

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いちばん堂デザイナーの杉浦がカバーデザインの制作過程などを記していきます。杉浦の個人アカウントの記事も、いちばん堂関連の記事はこちらにまとめていきます。あのデザインはどうしてこう… もっと読む
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記事一覧

ノベルジャム参加作品「みんな釘のせいだ」デザインの舞台裏

【手短に言うと】 最堂四期著「みんな釘のせいだ」のデザインについて、デザインの意図と、特に初校から二校にかけて何が起こったのか、なぜ大幅なリテイクになったかなどの解説です。 デザイナーとしてはじめにやったことはチームブランドの基礎を作ることだった。NovelJam2018秋、そのチーム分けののち、デザイナーとして最初にやったことはチームブランドの視覚化、すなわちロゴの開発でした。我々のチームは「独立仮想出版社」と定義されたので、そのアイデンティティを速やかに形にすべきと考え

みんな n=1 のせいだ?(続ターゲティング問題)

【手短に言うと】想定読者層をターゲティングして彼らに合わせていくよりも、いっそ「一人のエクストリーム」を捉えるn=1の考え方を応用してみる、という話です。 ひとつ前のnoteで「ノベルジャムという特殊な環境下で見込み購入者のペルソナまで踏み込んだターゲティングを行うことは難しいというか無理なので、購入者想定は『チームの認識共有を補強するため限定的に使う』のがいいかも」という主旨のことを書きました。 前のnote含めて何故このようなことを書いているかというと、話はNovelJ

ノベルジャムデザイナー会議を1・12日に開催しますのお知らせ

いちばん堂デザイナー杉浦です。ノベルジャムは執筆〜出版のフェーズが終わり、すでに販促とPRの局面に突入しています。販売を競う様々なプロモーションやセカンドコンテンツを各チームで投下し始めていますが、なんにせよグランプリまでのこのシーズンは「楽しんだもん勝ち」です。 我々いちばん堂が(というかデザイナー杉浦が)企むのは「デザイナーのためのトークイベント」です。なぜか。 ノベルジャムは小説作品のためのイベント。だから書きあがった作品には審査員の先生方から丁寧な講評をいただけ、

ノベルジャム作品におけるターゲティングの問題について

【手短に言うと】小説も流通商品である以上、見込み購入者の想定は必要だけど、 ノベルジャムという特殊な舞台でどこまでターゲティングを意識すればいいのか、という話です。 NovelJam2018秋、その初日、三木一馬さんの講演で想定読者のペルソナについての話題がありました。ペルソナによるターゲティング、という話の流れで、たしか参加者の方から上がった「電子書籍購入者の傾向」についても質疑があったと思います。それに対し、三木さんが「電子書籍の黎明期の印象」という前提で彼らのペルソナ