静寂礼賛
冬の茶を舌にのせれば味はひと吾を受けとめる宿のしづけさ
──壱羽烏有
今日は久しぶりの、お気に入りの古民家カフェへ。
山を切り開いて作られた庭園は紅葉。
広い和室に座を占めると、時折、冬の風が縁側のガラス戸を叩くのが聞こえました。
静か……。
ひと口に静けさと言っても様々な味わいがあります。
このカフェの静けさは絶品。
障子が薄い膜のように外界と部屋を隔てていて、まるで自然の静寂を部屋に掬いとったよう。
都会で作られる締め切った静けさとは違って、静けさそのものに、内包される存在を受けとめる力があるのでした……。
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