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前回の投稿より、レスポンスとしての追記



【前回の投稿より、各SNSよりいくらか反応を頂きありがたいです。自分なりに更なるレスポンスとしての文章を書きました。】

前投稿の冒頭の記述通りで、観客もさまざまな即興やセッションパフォーマンスに出会う機会が増え、鑑賞者の観る力や思考力、言語化能力、意識が上がっているような気がします。

逆に演者は、即興やセッションへの意識をどれくらい深められているのかは、ブラックボックスのような感じもあります。(言うならば各狭いコミュニティ内での共有はあるかもしれませんが、もう少し広く多分野の間で、言葉が交わされていることは少ない気がします) 私も含めて基本的に演者は、客観的な視点をもったとしても物理的に全体を見れないことは多いので、演者としての主観的な視点や感情が主な感想となりがちで、良くも悪くも本番で起こった現象の考察は、共演者や鑑賞者の視点や忌憚のない意見を聞いて、自らの行為や他者の考えやアクションを整理して反省していくというプロセスが積極的には起こりにくい現場が殆どです。(即興ってそれで良いんじゃん?という意見もあるとは思いますが)

即興は感覚の対話やアクションであることは確かで、具体的にしすぎないことによる表現が、鑑賞者の想像する余白を作り、さまざまな異なる人々が共通言語ではない新たな対話の可能性を生み出すことが良さであると思います。

しかし演者自身が自分の考えや哲学が曖昧であることは別で、表現されたものに余白があることと、演者があまり考えていないことは違っていて、演者が振付や作品、決め事から解放される言い訳を即興に見出すのは、鑑賞者に対して無責任かなと思うので、即興は演者も鑑賞者も自由という言葉に甘えず、そのなかで何を表現したいのかを演者は語れる必要があると思いました。
(直感的(感覚的)に表現するのは当たり前ですが、感覚的に表現する前後には、何かしら直前のインスピレーションや、事後に残る感覚はその後にでも理由が言語化されていくべきかと思います)

端的にいえば、鑑賞者の観る力に甘えず、演者が即興やセッションについてもっと実践的に考え、なぜ?どうだったか?を自分の思いや考えを言語化し、他人とディスカッションし、自己の表現はもちろんパフォーマンスやアートが創出するものの価値や可能性を、(演者間はもちろん)鑑賞者とも共、連携して掘り下げ進めていけるんじゃないかと思います。

即興の現場も常に誰かが正解を持っているわけではなく、それぞれのスキルではないそれぞれのクリエイティブの集合体がその場の表現の答えとしてあると思うし、その責任は圧倒的に演者にあるので、みんなでそうした場を生み出す訓練や場をちゃんと言葉にしてやっていきたいなと思いました。

当然私が答えを持ってるわけではありませんが、誰かと一緒に考える能力と経験は持っていると思います。私も必ずしも上手くいく保障はないけど、一緒に挑戦していく対話と行動の根気はあると思います。そして自分の経験上、即興はスキルではないので、教え教わるものではありません。

自分は12年間さまざまな現場で、演者として一緒に場に立ってくれる人たちがたくさんいました。世代やジャンル問わず、音楽もダンスも大道芸もアートも演劇も絵画も映像など、またジャンルに嵌まらない人たちと含めて、いろんな人たちと表現やパフォーマンス、即興について会話してきました。初めは共通言語はなくわからないことだらけでしたが、自分にはなかった視点や言葉、考え方の人たちとそれでも何か一緒に取り組むことで、相手の行動や言動の意味を少しずつ理解しながら自分自身の言葉や考え、そしてパフォーマンスが形成されていったような気がします。

表現者は、即興や表現について、常に考え続けてるはずだけど、その自分の考えをもっと全然違う他人と真剣に言葉として交わしあったり、物作りする機会のなかで、あーでもないこーでもないもないを試行錯誤する経験が、自身の表現をより豊かにしていくはず。

伝わることが全てでないけれど、自分がいま感じる面白いをどうやって他者に伝えるかを考え、作り、生み出していくプロセスにクリエイティブ性や少なくとも現代のアートがある。即興は、それをその場で行なっていくパフォーマンスアートなのだから、もともと知ってることや持っている技術の発表をするのではなく、自分の経験や思考駆使して、なるべく0から生み出す作業を見せ物として表現することに挑戦する精神性がもっとも重要と思うし、即興を観る鑑賞者は、そうしたパフォーマーのクリエイションに対する態度を観たいのだと思います。



【興味あるかたいますか?】

4月以降、月1くらいで、路上で「即興のWS&ショーイング」的な企画をやろうかなと思案中です。(…自分は企画者かつファシリテーション、毎回1人ゲスト講師をいれるのも良いかも?)

内容は、
・即興について、ディスカッション
・みんなで街を散策する
・各自場所を決め、アイデアのクリエイション
・互いに見合う
・フィードバック&ディスカッション/批評し合う
・ショーイング(鑑賞者にみてもらう/投げ銭制)

時間は、13:00-20:00
受講定員は、10名
料金は、4,000円

※ 目的は、自身のテクニックやアイデアを場所や空間との関係にどう応用するかを考えること。即興パフォーマンスを行う際に、パフォーマーはどのような意識をもつか、また鑑賞者はパフォーマンスの鑑賞体験から何を得るのかを言語化しながら相互批評し合い、即興をパフォーマーによる自由なパフォーマンスというだけではなく、鑑賞者や社会とのコミュニケーションのツールに昇華するための勉強会かつ実践の場として行う。

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