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★「表現」について。- 自分は、何を表現したいのか -



「表現」について。
- 自分は、何を表現したいのか -

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「(何か)表現したい!!」と、始めて自覚的にそう思ったのは、20歳の(2009年)頃。当時所属していたTAPDANCE STUDIOの先輩が「一平、好きだと思うよ」と観せてくれたのが、所謂コンテンポラリーダンスのパフォーマンス動画で、まさか本当に自分が好きな感覚そのもののある踊りで、それが康本雅子さんというダンサーだった。

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私が、TAPDANCEを始めたのは14歳のときに観た『ホテルビーナス』という映画がきっかけだった。映画は、ゲイの主人の経営するホテルで生活するどこか人生の傷を感じている人々が登場人物で、日韓の俳優たちが全編韓国語で演技しながらも、そこは無国籍でノスタルジックな世界観を感じる。主演の草彅剛がタップダンスを披露するシーンがあるのだけどどこか陰のあるタップで、ミュージカルや演芸のようなタップではないこの映画のタップダンスをみて、こんなタップならやってみたいなと思った。

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私は、15歳でTAPDANCEを始め3ヶ月後には初めてステージを踏み、その後も多くの出会いに恵まれながら高校生活の合間にはさまざまなLIVE HOUSEや大きな舞台に出演する機会を頂いた。17歳の夏にはCHICAGO TAPDANCE FESTIVALのスカラシップ一期生としての本場アメリカのタップフェスティバルに参加し2週間毎日5レッスン受けながら今第一線で活躍する若手や当時から活躍するトッププロ達のタップパフォーマンスを目の当たる経験をした。

本当に、本当に恵まれた機会を頂いていたのだけど正直自分は、舞台に立ちたいと思っていなかった。プロになりたいという気持ちにはなれなかった。

楽しい気持ちよりも劣等感のほうが勝っていて、ずっと不安だったけどやめるってことが、何か負けたようで言えなくて、それでも頑張っていれば、いつか楽しめるようになるかもしれないと思っていた。

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康本雅子さんのダンスを観た時に、やりたいことはこれなんだなあと感じた。自分にとってはタップはもちろん、バレエやストリートダンスなど型の明確なダンスをかっこいいなと客観的には思えても、自分自身がこれらダンス業界で求められるかっこいい人物になれるとは考えたことはなかった。康本さんを通じてコンテンポラリーダンスというダンスを知ったときに、初めてパフォーマンスに関してこんな創作/表現をしたいと思った。

それまでタップ業界のなかで「自分を表現しろ」と言われても、表現という感覚に全くピンと来なかった(表現って何?みたいな気持ちだった)けど、これが、表現なんだ!と初めて気づいた。

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自分が表現したいことってなんだろう。

初めてその疑問に行き当たったとき、わくわくした気がする。自分がやりたいこと?そもそも、自分は何が好きなんだろう?と考えてみると、

奇妙な感覚?と思った。

幼い頃から妖怪や怪談、サスペンス、ホラー、などのジャンル。映画や漫画、ネットを通じて自分が興味や好奇心を持つコンテンツには、そうした要素のあるものだなと感じた。

王道も好きだけど、もしその中のいくらから選択するなら、わからない、妙なものを選んでしまう子だったなと振り返る。(そしてたびたび後悔することもある)

ホラーというと悪趣味なイメージを持たれることがしばしばあるけど(自分もそれは好きだけど)、私の思う所謂『ホラー(ジャンル)』の面白いと思う気持ちというのは、わからない状況や未知な存在に対して相対(立ち向かう)シチュエーションを味わうことにあると思う。鑑賞者は、怖くないのではなくて、自分が怖い/奇妙と感じる存在(感覚)にどう向き合うかを考えるし、また『ホラー』の作り手はその好奇心を利用して、鑑賞者に向けて恐怖を演出し、サプライズをアクションとしてコミュニケートしているのだと思う。

『ホラー』というジャンルは人の生理的感覚を刺激する、人間の根源的な欲求でもある刺激(スリル)を扱いエンターテインするジャンルだなと思う。

自分にとってきっかけは『ホラー』(映画)であったけど、こうした未知なものに遭遇する体験そのものを、表現を通じてシェア出来たら楽しいなって思う。また自分自身がプロの表現者として人前に立つ以上、常に自分自身が新鮮な/知らない/驚くような状況を設定し、そこに立ち向かうパフォーマンスをしたいと思った。

(その後、即興パフォーマンスに出会う)

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