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気になった論文いくつかご紹介


●偽情報拡散者のフォローを外す頻度と予測

最初に、人が偽情報にさらされるメカニズムについての研究は多いが、フォローしていた偽情報拡散者をリムーブする研究はほとんどないと書いてあって、なるほどと思った。
「Dynamics of (Not) Unfollowing Misinformation Spreaders」(Joshua Ashkinaze, Eric Gilbert, Ceren Budak、https://doi.org/10.48550/arXiv.2401.13480)は、5千人の偽情報拡散者をフォローしている100万人がフォローを外す理由と、それを予測する要因を半年間のデータから解析した論文だ。

「Dynamics of (Not) Unfollowing Misinformation Spreaders」(Joshua Ashkinaze, Eric Gilbert, Ceren Budak、https://doi.org/10.48550/arXiv.2401.13480)

月次のフォロー解除率は0.52%と非常に低く、解除に関係する要因は冗長性とイデオロギー。リベラルは解除する率が保守よりも高いなどの結果が得られた。
ただ、これはあくまでも限られた範囲での解析であり、引き続き研究を進める必要があるとしている。

●SNS上での反社会的言動

「The State of Anti-Social Behaviour on Social Media」(Anatoliy Gruzd, Jaigris Hodson, Jenna Jacobson, Philip Mai, Victoria O’Meara, Felipe Soares、https://doi.org/10.6084/m9.figshare.24417271.v1)
18歳以上のカナダ人を対象とした1,500人のアンケート調査で下記のような結果が出ていた。

・カナダ人の31%はSNSで1種類以上の反社会的言動をたまにかそれ以上の頻度で経験している。
・代表的な反社会的言動は、会話からの排除(19%)、有害なメッセージ(18%)。
・10%が嫌がらせ目的で性的コンテンツを送られた経験を持つ。
・マイノリティグループは反社会的言動を経験することが多い。LGBTQ+コミュニティメンバー50%、障害者47%、人種差別42%。

といった実態が報告されていた。

●インフルエンサーの影響力

「The Influence of Influencers」(Philip Mai, Alyssa Saiphoo, Felipe Soares Anatoliy Gruzd、https://doi.org/10.6084/m9.figshare.21586947.v3)
18歳以上のカナダ人を対象とした1,500人のアンケート調査で下記のような結果が出ていた。

・インフルエンサーは18〜24歳の若年層の95%がインフルエンサーをフォローしている。
・インフルエンサーコンテンツをもっとも消費しているのはTik TokでTwithcやYouTubeが続く。
・もっとも人気のあるインフルエンサーコンテンツのジャンルは食品関連(42%)。
・インフルエンサー作ったコンテンツでもっとも人気のあるのはハウツーもの(70%)。
・インフルエンサーについて、魅力よりも信頼性や専門性を優先している。

といった結果を報告している。

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