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アメリカの古い地図と新しい現実
今回はアイデアのメモです。
リアルが変わっても人間がそれを認識することはだいぶ後になってからだ。その変化が本質的で大きいほど、認識するのが遅くなる。なぜなら、自分を形成していた古い現実が壊されてしまうのが怖いからだ。
●アメリカの古い地図
アメリカやグローバルノースの国々は古い現実にとらわれているような気がする。
たとえば、最近Foreign Affairsに掲載された「Only Bipartisanship Can Defeat Authoritarian Aggression」(https://www.foreignaffairs.com/united-states/only-bipartisanship-can-defeat-authoritarian-aggression)もそのひとつだし、しばらく前に記事にした「アメリカの古い地図が世界を歪ませる」もそうだ。
ハーバード大学ベルファーセンターがまとめた「The New Spheres of Influence Sharing the Globe With Other Great Powers」(https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/2020-02-10/new-spheres-influence)は勢力圏の変遷を紹介して、アメリカの新しい現実を描いている。
要約するとこうなる。
かつてアメリカは経済力でも軍事力でもダントツの世界一だった。ソ連が崩壊してからは、対抗する国はなくなり、勢力圏という概念すら不要になった。なぜなら全世界がアメリカの勢力圏になったからだ。
しかし、21世紀に入って相対的にアメリカの経済力と軍事力の優位性は下がった。そして、再び勢力圏という概念が必要になってきた。中国などいくつかの国や地域でアメリカ以外の勢力圏が現れたからだ。
また、最近いくつかの記事で書いたようにアメリカ内戦のリスクが高まっている。アメリカは国内の制御も失いつつある。前掲の「Only Bipartisanship Can Defeat Authoritarian Aggression」は国内の分断をなくすことが可能(あるいは必要)という論調だが、おそらくそこまで事態は楽観的ではない。
しかし、そう考える識者が少なからずいる理由もわかる。古い地図を見ていると、新しい現実は見えにくいのだ。たとえばアメリカの陰謀論者や白人至上主義あるいは反中絶論者がプーチンを支持している現実は見えにくい。
古い地図を見ていているために新しい現実に対応できくなくなっている。
●新しい現実と新しい地図
新しい現実と新しい地図が必要なのだが、それはいまだ提示されていない。拙著『ウクライナ侵攻と情報戦』(扶桑社新書)ではグローバルノースとグローバルサウス、あるいは主流派と反主流派という分け方をした。正確には、下記のようになる。GAOM=Group of Old American Map、GNWM=Group of New Wolrd Mapである。あくまで仮の名前だけど。こうやって表にして整理すると、どうひいき目に見ても、GAOMは勝ち目がないんですよね。GNWMは国家という概念を超えて結びついており、拡大している。まるで、邪悪になった「個別の11人」みたいでこっちの方が未来的だ。人口でも経済力でも負けてるでしょう。アメリカの中間選挙では共和党が勝ちそうなので、ますますGNWMが優位になってしまう。
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こういう感じで新しい現実を反映した地図を造りたいと思っています。
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