世界最大の民主主義イベント インド選挙の実態

2024年4月19日Asia Democracy Research Network(ADRN)のADRN Issue BriefingにNiranjan Sahoo「Decoding India’s 2024 National Elections」http://www.adrnresearch.org/publications/list.php?cid=1&idx=358&ckattempt=3 )が掲載された。この論考は注目を浴びる世界最大の「民主主義国」インドの選挙の実態をまとめたものとなっている。

およそ10億人の有権者と600以上の政党が44日間をかけて550万台の電子投票機(EVM)で行うインドの選挙は世界最大なのはもちろんだが、世界でもっとも金のかかる選挙とも言われている。
以前にも書いたようにインドは権威主義的傾向を強めており、そのためにさまざまなデジタル影響工作を国内に対して行っている他、敵対する野党に対する弾圧も激しく行っている。100人以上の野党が尋問、家宅捜査、逮捕されている。今回の選挙でも同じで、選挙前に徹底したネット世論操作と野党弾圧で与党の勝利を確定させようとしている。その甲斐あってすでに勝利は決まったようなものと言われている。

世界におけるインドの重要性は増しており、特に民主主義陣営にとっては対中国という点も貴重な存在だ。しかし、インドはそのことを利用して、権威主義化を進めている。あまり書かれる事の少ないインドの現状ををこの論考は解説している。

関連記事
欧米との協力関係の陰に潜む、インドのネット世論操作の実態とは?
https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2023/10/post-51_2.php

インドに関する補足
https://note.com/ichi_twnovel/n/n5207f2d1c65f

世界最大の民主主義国であるインドの右派過激集団(RWE)Hindutvaに関する初の大規模データ分析
https://note.com/ichi_twnovel/n/n6d3b653a9c8c

好評発売中!
ネット世論操作とデジタル影響工作:「見えざる手」を可視化する
『ウクライナ侵攻と情報戦』(扶桑社新書)
『フェイクニュース 戦略的戦争兵器』(角川新書)
『犯罪「事前」捜査』(角川新書)<政府機関が利用する民間企業製のスパイウェアについて解説。


本noteではサポートを受け付けております。よろしくお願いいたします。