4月8日の大西洋評議会DFRLabウクライナアップデート

大西洋評議会DFRLabはウクライナ情勢をレポートしており、それらを定期的にまとめて紹介している。その4月8日分(https://www.atlanticcouncil.org/content-series/russian-hybrid-threats-report/russian-war-report-russia-makes-false-claims-while-blaming-ukraine-for-kramatorsk-railway-station-attack/)を備忘録代わりにメモ。4月がとにかく多忙をきわめており、noteもろくに更新できていない。5月になって落ち着くとよいのだけど。
今回のまとめで取り上げられたトピックスは下記。

●クラマトルスク駅襲撃をウクライナになすりつけようとするロシア

4月8日、クラマトルスク駅周辺にミサイルが着弾し、数十人が死亡、100人以上が負傷した。正確な被害はまだ調査中。少なくとも4人の子供が死亡した。
ロシアは最初TelegramチャンネルSilovikiで、クラマトルスク駅においてウクライナ勢力を攻撃と投稿し、死傷者が出たことを祝っていたが、民間人の多数の死傷者が出ていることが判明した後に、投稿を編集し、ウクライナ側がミサイルで攻撃したと変更した後、それも削除した。
その後、親ロ派のTelegramチャンネルVeteran Notesが鉄道輸送は危険というメッセージを発信し、ロシアのメディアはウクライナのしわざであるという主張を繰り返した。

●ロシア関連のTelegramチャンネルが、ファクトチェックを装ったフェイクニュースを拡散

War on FakesTelegramチャンネルは、ファクトチェックを装ってフェイクニュースを発信している。War on Fakesのメッセージは、フェイスブック上で3月から4月にかけてロシア大使館やその他の政府系アカウントが数百回拡散され、数百万人の利用者にリーチした。同チャンネルは英語、中国語、アラビア語、フランス語、スペイン語のサイトを持っているが主に拡散しているのはロシア語と英語だ。
さらに、新しくFor the Truthというチャンネルを開設し、ロシア語と英語で長文の記事を発信している。
War on FakesのメッセージはVKontakteを通じても拡散しており、ロシアの親たちに向けて、子どもの安全や戦争に関するフェイクニュースから子どもを守る必要性について感情的に訴えている。

●VPN対処についてまとまりのないアナウンスが続く
ロシアからのVPNへの接続が急増したが、その対応(禁止を立法化、厳罰化、技術的に困難など)についてロシア当局の異なる部局や報道機関が発信している情報には食い違いがあり、錯綜している。

●ウクライナにおけるロシアの傭兵組織ワーグナーグループの活動

ドイツのシュピーゲル誌によると、ドイツの対外情報機関であるBundesnachrichtendienstがロシアの通信を傍受し、ワーグナーグループと呼ばれるロシアの傭兵部隊のメンバーがウクライナの残虐行為で主要な役割を果たしたと考えられるとした。
また、画像から以前、シリアで活動していたワーグナーグループRusich部隊に所属するYan Petrovskiy(Velikyi Slavyan)の姿が確認された。

●ロシア兵が民間人の車を盗んでいる可能性

監視団体Belaruski Gayunは4月8日に発表した調査結果によると、ロシア兵がウクライナの盗難車を運転している。
ロシアのMediazonaは、ウクライナのモバイルアプリ開発者Dmytro Mayborodaが、個人のスマホを奪われないようアプリテスト用のスマホいくつか渡し、それを追跡した結果を掲載した。ロシア軍の撤退後、そのスマホの位置情報は、モスクワの軍病院などにあることを示していた。







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