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ストーリー型授業って何?

こんにちは、ニャーです。将来、中学校の数学の先生になりたいと思って、いまは勉強中です。

今回はストーリー型授業について、いち先生にインタビューして聞いてみたいと思います。ストーリー型学習がなぜ生まれたのかや、授業で実施するときのポイントをインタビューで深掘りしたいと思います。

はじめに

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 ストーリー型授業は、身近な問題解決から入るアクティブラーニング型の授業です。教科書の問題のページを開け、いきなり問題に取り組み、その説明を聞くのではなく、まず問題に挑戦してみることで、興味を持って授業に取り組むことができます。
 ストーリー型授業で大事なのは、ストーリ性数学との接続です。映画の1シーンを切り取ったような、まるでその場面に登場している主人公のような感覚になれるように物語を作る必要があります。さらに同時に、その物語の中に数学的な価値を密かに入れ込み、数学との接続をはかっています。「答えを求める必然性」であったり、「多くの情報から、必要な数量を見つけ出していくこと」であったり、「今までの考えとは違う考えの使用」であったり、「変えるものと変えていくものを設定して比較する方法」であったり。数学的な考え方をストーリーを通じて経験できることが、ストーリー型授業のポイントです。
 しかし、なによりも大事なのは面白さです。教える側も一緒にその物語に入って、課題を解決していきましょう。

なぜ作ったのか?

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 やはり導入に苦労したという経験が大きいです。休み時間の終わりのチャイムが鳴り休み時間が終わると、「起立、礼、着席」で授業を開始します。その後は、まさに試行錯誤の連続でした。雑談で始まるときもあれば、「では教科書の〇〇ページの例題1からやってみよう。問題読んで。」と始まっていくこともありました。しかし、結果もいまいち。すでに集中力がかけて姿勢が悪くなったり、教科書を出しても「どこのページ?」と隣に聞いていていたり。「休み時間」から「数学の世界」へ連れていくことはなかなか難しいと悩んでいました。
 変わるきっかけとなったのは、「なぞなぞやクイズの時間」を入れてみたときです。なぞなぞやクイズの時間を最初に入れると、授業開始のチャイムと同時に意欲的になっていることを感じました。「もう1問、もう1問」と答える生徒。普段は起きているのか、寝ているのかわからない生徒が積極的になっている様子が見られました。やる気のないと一見思っている生徒も実は「問題を解く、考えるのは好き」なのだと気付いた瞬間です。まさに、生徒一人一人が主人公になった瞬間でした。
 このようなことからストーリー型授業の開発が始まりました。まずはじめに、「なぞなぞやクイズの時間」の内容を、「本時の題材」に関連づけたものへとアップデートしました。このことによって、授業時間が短くなってしまうことや、クイズと本時の題材とのギャップが埋まりました。次に、ストーリーを動画にまとめました。ある程度うまくいくストーリーの型がみえてきたため、ここはICTの力を借りることにしたのです。そうすることによって授業中は生徒のサポートに集中できるようになりました。

利用方法

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まずは、導入だけ変えるというシンプルな形がおすすめです。

シンプルバージョン
①  動画視聴(5分) 「今日の物語はこれです」といって動画を流します。
② 個人思考(5分) 自分の課題として、課題を把握する時間です。
後は、通常の授業と同じ形です。

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もし、ストーリー型授業になれて余裕が出てきたら、本格的なアクティブラーニングに挑戦してみましょう。

本格バージョン
① 動画視聴(5分) 「今日の物語はこれです」といって動画を流します。②個人思考(5分) 自分の課題として、課題を把握する時間です。
③グループ協議(10分) グループで思考を交流させます。
④発表(10分) グループで考えたことを発表します。
⑤全体(5分) 学級全体で、ポイントを確認します。
⑥類題(5分) 類題に取り組みます。
⑦振り返り(5分) 授業の振り返りを行います。  

うまく実施するコツ

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それでは各ステップのコツをお伝えします。

①動画視聴で、教師側からのつぶやきを時折入れると効果的です。(「そんなことが・・・」、「そんなのわからないよねぇ」、「これがなければ・・・」など)
②個人思考では、問題把握に動画の再視聴を可能にするといいでしょう。
③グループ協議中は、意見交流が活発に行われている様子をメモし、評価(教師側の授業評価、生徒に対しての活動評価)につなげていくといいです。授業の内容も含め、一番手ごたえが感じられる場面です。また、「わかりません」というグループには、詳しく教側から説明せず、「ヒントカードを見に来て」という程度(突き放す)にすると、よりグループで主体的に活動していくことが期待されます。
④発表の場面で、学級全体で発表という形では、発表する人が少なくなります。これを、隣のグループに説明する形式(出張プレゼン)にすると、発表者が増え、説明することで思考も深まっていきます。さらに、説明しないといけない設定が、よりグループでの交流の活発につながっていきます。発表前に、発表のリハーサルをグループで行わせるといいでしょう。
⑤学級全体では、意見交流によって思考がよい方向に進んだグループを紹介したます。また、この授業で押さえたい数学的な見方・考え方を紹介します。
⑥類題に取り組むことで、グループで交流した成果を発揮することができます。OUTPUTすることで力がつき、生徒自身の授業が理解できたかの確認につながります。
⑦振り返りによって、授業の大切なことがらがつたわったのかが読み取れます。生徒の振り返りをみて、教師側の授業の振り返りを行い、次につなげることができます。

今回はストーリー型授業について、いち先生にインタビューして聞いてみました。ぜひ、今回のインタビューを参考に日々の授業にもご活用ください。


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