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【第一章】~完~


たった、14年。たかが、14年。

選手として10年。
指導者として4年。

"ヘタクソな事なんて、どうでもよかった。”

ピッチを見る目だけはいつだって輝いていた。

目の前にあることの有り難さに気付けず
自分の自信のなさをめいいっぱい隠して
笑わない日々を過ごしていた生意気なサッカー少女だった。
本当に勝手だった。
サッカーの本質に 本当の意味での面白さに 気付き始めたのも、笑えるようになったのも、大人になってからだった。

それでも 勝手に ずっと 続くものだと思っていた。

どんなに絶望しようと サッカー で味わえる感覚だけは失わなかった。その瞬間だけは、最高なキモチだった。

そんな大切な1つをくれたのは、紛れもなく光太郎だった。

毎日一緒にボールを蹴った。勝負をした。
毎日走る姿を見て悔しくなって走り続けた。
努力をし続ける彼を見ているうちに自分も努力することが好きになっていた。
大人になってからも、必ず蹴り合った。
子供のことで言い合いもした。

指導者という背中を見てずっと追いかけ続けた。

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一年前、前を歩き続ける背中が突然なくなってから、
全て終わっていく気がしていた。
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好きだった時間や空間を大嫌いになったりした。
好きなことを持っている自分を責め続けたりした。
周りのものや人に攻撃的になり傷つけたりした。
憧れが恨みや憎しみに変わっていた。

一度前を向いたはずが、気付けば自分ではいられなくなったりした。

それでも、周りにいる人達は何度も声を掛けてくれた。
弱虫な自分を受け入れてくれた。

サッカーに出逢えて、本当によかった。
サッカー人生、最高だった。

あの時、傷ついてよかった。
あの時、一人になってよかった。
あの日、逃げ出してよかった。
悲しいお別れをしてよかった。
失敗してよかった。
あの子に嫌われてよかった。
それでも此処を選んで、本当によかった。

色んなものを失ってしまったように見えてしまうけど
サッカーで得られた出逢いは本当に宝物でした。
サッカーで出逢えた人や言葉や想いはすべてホンモノでした。


『サッカー人生』  
~【第一章】~ 終わり!!!!

感謝を伝えられなくなってしまった人もその別れすら、抱きしめて進む。


本当に、ありがとうございました。



ー『その後 ずっと 笑顔溢れる日々が続いた。』

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