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【レビュー】『異動辞令は音楽隊!』

ほとんど映画を観たことがない映画初心者の、備忘録としてレビューを残します。
カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点お断りしておきます。

『異動辞令は音楽隊!』
2022年 1時間59分 内田英治監督

●あらすじ
刑事一筋30年の成瀬司は今の時代にはそぐわない横暴な捜査方法を続け、完全に周囲から煙たがられていた。
そんな成瀬についに警察音楽隊への異動辞令が下る。
警察音楽隊は個性の強い問題児揃い。しかも警察職務と音楽活動を兼任で活動をするメンバーばかりで前向きな考えのメンバーは極数人。関係性も悪かった。
そこでも成瀬は高圧的な態度をとり、メンバーに煙たがられてしまう。
しかし、成瀬は刑事とはもう無関係だと思い知らされ、家族間での問題が浮き彫りになる。
嫌でも現実を直視せざるを得ない状況についに成瀬の心が折れた。
そんな成瀬を救ってくれたのは、嫌っている警察音楽隊のメンバーとそれを通じて知り合ったハツという女性だった。
音楽隊として練習に励み、成瀬は次第に変化していく。そしてまた、音楽隊のメンバーにも変化が起こり始める。
そんな時、突然音楽隊存続に危機が訪れ、ハツさんは事件に巻き込まれてしまう…。
成瀬と音楽隊が各々の想いを抱えながら大事な演奏会を迎える。

●レビュー
★★★★☆(星4つ)
前回の『テルマエロマエ』からの阿部寛さんつながりで気になる作品を鑑賞してみた。

初め、成瀬の様子にカナリ恐怖を覚えたが、終わってみたらあっという間の約2時間。
終わり方も私の嫌いではない形で、内容から気付かされる点も多く、満足したので★4つ。

いやぁ、やはり阿部寛さんは素敵だ。
スタート時点の表情と音楽隊のラスト辺りの微笑みのギャップには驚きだったが、また他の阿部さん出演の映画を見てみたいなと思った。

★を一つ下げた理由は後に挙げる。

私がメッセージとして受け取ったのは、
・時代の流れに適応していくことの大切さとそこに必要なものについて
・組織というものはそれぞれ違う状況や環境にある人間の集まりだということ
・人は出逢う人の言動により変えられてしまうことと、変わることができるということ
・幼少期の出来事が大人になっても大きな影響を与えるということ

2時間も視聴していたとはビックリ!というほど、あっという間の2時間だった。

●真似したい点
・役それぞれにきちんと結末を与えた点
・音楽隊の指揮者役の方のセリフと演技

●う〜んな点
・成瀬とその娘の設定
→母親の方に付かなかったところにまず違和感。娘は嫌っている割に受け入れるのが早いのでは?という違和感。
・成瀬の感情の変化と行動
→初めの様子だと、辞令が出た後も刑事の現場に首を突っ込む描写はまさにアリそうな状況だったけれど、音楽隊の活動を通して様子が変わった後の成瀬だと、ハツさんが亡くなった直後に現場に行くのは想像はできたけれど、その時の首の突っ込み方は、物語序盤のそれとは異なるものになるのでは?と思った。
同じやり方・セリフではなく、ここにも成瀬の変化を反映させて少し変えて欲しかった。

●最後に
成瀬の変化の早さと、若干逆行しているような描写に少し違和感を感じる部分もあったが、物語を通して感じることは多くあった。
中でも、音楽隊の指揮者の方のセリフや落ち着いた雰囲気の演技に私は心打たれた。
何気ないシーンなのだが、音楽隊がなるなるかもしれない、最後の演奏になるかもしれないというシーンで、飲み屋でお通夜のような状況の中、成瀬に「あなたは刑事一筋30年、私は音楽隊一筋30年…」と語りかけるシーンのセリフと、役者さんの表情(とりわけ目と口角)が印象に残った。

こういう主人公ではないけれど、重要ポジションの俳優さんの演技に目を釘付けにされる映画は、最後の満足度がグンと上がる。

この映画も大変面白かった。

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