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岡野武志・アトム法律事務所「おとな六法」

・本書は、高卒フリーター生活10年を経て、司法試験に合格後、法律事務所を創業し、グループ全国12拠点にまで成長させる弁護士であると同時に、自身のYouTubeチャンネル登録数は150万人(2023年9月時点)の著者が、100の法律に関する質問を、わかりやすく面白く解説した1冊。

質問005
「デスノートに名前を書いたら殺人罪ですか?」
・まず、殺人罪が成立するためには、誰かが人を殺したことと、その殺害方法が「科学的に見て一定以上の確率で人が死ぬような行為」であることが証明されなければいけない。
・つまり、デスノートで人を殺したら殺人罪になるかどうかは、デスノートに名前を書くことが「科学的に見て、一定以上の確率で死ぬような行為」として認められるかが争点になる。
・科学的に説明できる死因とは、「毒による中毒死など」である。
※「〇〇さん 毒で死亡」と書いた場合、どのように結論づけているのかについての詳細は本書をお読みください。

質問019
「居眠りしてたら先生に叩き起こされました。これって犯罪ですか?」
・たとえ居眠りしている生徒を起こすためでも、教員が生徒を叩いたら基本的に暴行罪になる。
・学校教育法第11条では、教育上の必要があるなら、先生が指導の一環として生徒に罰を与えてもよいとされているが、体罰は指導でもアウトである。
・ただし、例外的に暴行罪にならないケースが2つある。
・1つ目は、「生徒が叩かれることに同意している場合」である。たとえば、生徒が「もし授業中に寝てたら叩いてでも起こしてください!」と先生にお願いしていたら、生徒は叩かれることに同意していることになるので、基本的にセーフになる。
※もう一つの生徒を叩き起こしてもいい事例についての詳細は、本書をお読みください。

質問028
「殴られたから殴り返しました。これって犯罪ですか?」
・相手から殴られたら、正当防衛になるので殴り返してもいいと勘違いしてる人は何気に多い。殴り返したとき正当防衛が成立しないケースもある。
・積極的に殴り返した結果、正当防衛と認められなかったら、暴行罪や傷害罪になるから注意すること。
・相手に殴られたときは、最低限の防御だけして、その場を離れるのが得策。積極的に殴り返すと犯罪になる可能性もあるし、何より危険だから絶対にやめた方がいい。
※殴り返したとき正当防衛になるケースとは、著者がすすめる殴られた相手のやり返し方についてと触れられているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「アニゲー」「学校」「職場」「犯罪」「刑務所」「事故被害」「ネット」「裁判」「司法試験」「弁護士」「アトム」という章で構成されており、

質問009 サザエさんの波平さんが大切にする1本の髪の毛を抜くのは犯罪ですか?
質問017 先生にスマホを没収されて勝手に捨てられました。これって犯罪ですか?
質問025 会社を辞めたいのに上司がしつこく引き留めてくる。どうすればいい?
質問038 1万円盗むのと、1万円分の物を盗むのでは、どっちの罪が重いですか?
質問046 新しくできる「拘禁刑」ってなんですか?
質問056 事故で仕事を休んだら、給料はどうなるんですか?
質問065 裁判中に、裁判官がうんちをしたくなったらどうなりますか?
質問079 将来弁護士になりたい高校生です。今からできる準備はありますか?
質問084 弁護士ってどれくらい稼げるんですか?
質問098 法律相談って気軽にできるんですか?
など、質問されると考えてしまう法律の疑問100についてわかりやすく要点をまとめた内容が収録されている。

「世の中メンドクサ!」と思ってしまうこともありますが、法律で私たちの暮らしが守られているのも事実、と本書を読んで感じました。
真面目な項目から、馬鹿馬鹿しいけど面白いことも書かれていますので、ご興味あるかたはご一読ください。

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