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ライフケアデザイン株式会社監修「目で見てわかる認知症ケア」

・本書は、介護付有料老人ホーム「ライフケアデザイン株式会社」が監修した、認知症ケアにおいて大事なことや基礎知識、ケース別のケアのポイントや方法などをオールカラーのイラストで紹介した1冊。

・認知症は、脳神経細胞の変性によって症状が出る病気。主に、アルツハイマー型、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の3つがある。

老化や認知症によるさまざまな身体機能の低下の例
・視覚=視力や目の調整機能が低下し、せまくなるため、テレビを観たがらなくなったり、物にぶつかりやすくなったりする。
・感知機能=暑さや寒さに対して鈍感になり、汗をかきにくくなる。そのため、手足が冷たかったり、寒がったりする。トイレに行きたがらなくなる。
・痛覚=痛みを感じにくくなる。気がつかないうちに骨折していることもある。
※その他に「聴覚・味覚・代謝・筋力」が紹介されている。詳細は本書をご覧ください。

・認知症の方々のケアをする際、気持ちに寄り添ったケアを心がけること。真摯に向き合う気持ちがとても大事。認知症の方々は何でも忘れてしまう困った人たちではなく、自信を失って動揺している人たち。うまく言葉で表現できない認知症の方々の不安な気持ちを、しっかりと受け止めるなどすれば、「素直に頼る」など信頼関係を結ぶことができる。逆に彼らよりも自分の気持ちを優先してしまうと、不信感を抱かれて、ケアを拒否されてしまう。本人の気持ちを尊重し、心に寄り添うケアを意識することが大切。

・介護=何もかもすべての面をケアすることではなく、その人の困難となった部分を見極め、サポートする伴走者として支えていくこと。その際、どのようにするかの最終判断は認知症になった本人に選択を委ねること。どんな小さなことでも、最終判断を本人に委ねること(自分で選択できる自由)が、前向きに生きる意欲につながる。

・認知症の方々のサポートをする際、その人たちの「これまでの人生」に注目し、大切にしているもの、実現したいことを知り、その手助けをすることを意識する。その人の「これまでの人生」に注目することで、「今(現在)」の生活をよりよいものにでき、結果として、徘徊や暴言などの周辺症状を減らすことができる。それだけでなく、
①認知症の方々の満足度が高まり、楽しい時間が増える
②ケアスタッフとの信頼関係が強くなる
③周辺症状(BPSD)が減るケースもある
など、さまざまな効果を発揮する。
また、施設でサポートをする際は、1人ではなく、ケアスタッフ、医療スタッフ、ケアマネジャーなど、多職種の方々が働いている。その横のつながりに目を向け、それぞれのプロフェッショナルの強みを活かし、よいよいケアを利用者へ提供することが大切である。

本書では、「認知症ケアで大事なこと」「認知症ケアの基本(寄り添うとは何か)」、「ケース別 ケアのポイントと方法(介護拒否・暴力・徘徊などケアの具体的な対応方法の事例33)、「認知症の基礎知識(認知症の基本的なしくみ、主な症状、診断方法、薬物を使わない治療法など)」、「認知症の方々の人生の寄り添い方(その人らしい生活の実現方法、寄り添う時間をつくるために大切なことなど)」といった認知症ケアの心構えや基礎知識、ケアの実践的な方法がオールカラーのイラスト付きで紹介されている。

本書が介護や認知症に興味関心を持つきっかけになれば幸いです。

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