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本間正人「よい政治家の見分け方」

・本書は、「学習学」を提唱し、都市型選挙の参謀として、多くの選挙に関わったほか、松下政経塾で、「政治家の卵」の育成にもあたった経験を持つ著者が、良い政治家を鋭く見極める方法について紹介した1冊。

・政治家の選び方の基本として、「人」「顔」「声」が挙げられている。政治家は、政党ではなく、人物本位で選ぶのが正解。よい政治家である前に、一人の人間として好感もてる人、この人なら友人になれるなあと思う人を選ぶのが大切。一番大切なのは、「人物」で選ぶことなのだ。また、「顔」が一番重要な選択基準であると著者は語っている。これは「よい面構え」かどうかということ。顔を見れば、その人の気質や徳性は、ある程度わかるのだ。
・ただし、政治家の顔をポスターで判断してはダメ。ポスターに使われる写真は、現物よりずっとよいのが当たり前で、何年も前の写真を使っている人や、修正を加えている人も多い。
・表情やしぐさのわかるテレビの映像の方が、ずっとその人の印象が伝わってくる。もちろん、実際に、本人に会ってみれば、よりはっきりと、その人のもっている雰囲気やエネルギーまで感じることができる。
※「声」の選び方については、本書をご覧ください。

良い政治家の条件について
1 日本の未来のビジョンをもっている
・言葉がよく整理されていれば、よいビジョンである。ビジョンをつくるためには、わが国(日本)の資源・個性・特徴を把握し、活かす発想が不可欠である。ここでいう資源とは、「使えるものすべて」と定義している(石油や鉄鉱石・人材・科学技術・自然環境など)。
・よいビジョン(未来構想)は、言葉がよく整理されていて、何が書いてあるのか、すぐわかる。逆に、意味不明の抽象語が羅列されている文書は、検討が十分でない証拠である。

2 優秀なブレーンをもっている
・国会議員は、委員会に属することで、ある程度の専門分野はいつももつものの、中央省庁の守備範囲をすべてカバーするジェネラリストとしての能力を発揮する。一人で、あらゆる分野に精通するのは、無理な話なので、ブレーン(知恵袋的人物)の存在・役割が重要になる。
・ブレーンは、個人の場合もあれば、グループの場合もあり、ブレーンの提案や意見を取り入れながらも、「主座を保ち」、最高責任者として、情報を咀嚼し、自分の政策にしていかなければならない。

・本書では、「選び方の基本」「情報分析の方法」「見分け方の極意」「現職議員の活動をチェックする」「よい政治家の条件」という章で構成されており、「政見放送の観方」「衆議院と参議院の違い」など、良い政治家を見分けるために特化した内容となっている。

今から26年前(1996年)に刊行されたものですが、今の時代だからこそ読んでもらいたい1冊です。

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