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石川和男「比べて丸わかり!会計の用語図鑑」

・本書は、現役で20年以上、簿記の講師をし、そのうち15年間は大手専門学校で日商簿記3級の講師を行い、わかりづらい会計用語を分かりやすく伝えることで受講生を合格へと導いた合格率ナンバーワン簿記講師で、税理士、民間企業の経理担当でもある著者が、会計の必須知識をわかりやすく解説し、ビジネスに役立ててもらうことを目的に執筆した1冊。

Chapter1-01「簿記」と「会計」の違いとは?
・簿記=「内部管理的に困るから帳簿に記録すること。
・会計=企業を取り巻く利害関係者の皆様に会計の状況を報告する手続き
・簿記とは、帳簿というノートに記録すること。簿記では、日々発生したすべての取引(資産・負債・純資産・収益・費用)を記録する。帳簿は左右に分けて記録する。ここが一般的な小遣い帳や家計簿とは違うところである。
・会計とは、「うちの会社はこういう状況ですよ!これだけ儲かってますよ!」ということを、企業を取り巻く利害関係者の皆様に伝える必要がある手続きのことをいう。信用取引(「信用しているのでお金は後からでもいいですよ」と信用から成り立つ取引)を行う場合、会計が必要である。
・まとめると、簿記は「内部管理的に困るから帳簿に記録することで、会計はその帳簿をふまえて、企業を取り巻く利害関係者の皆様に「うちの会社はこういう状況ですよ」と報告すること」をいう。つまり、簿記は会計に含まれており、簿記は利害関係者に報告する報告書を作るまでの下準備で、日々、取引を帳簿に記録し続ける。その記録を元に、利害関係者の皆様に報告するまでの一連の流れが会計である。

Chapter2-05「収益」と「費用」の違いとは?
・利益=会計の世界での「儲け」を指す。
・費用=会社の営業活動において、利益を得るために消費される金額のこと。簡単にいえば、収益を得るために犠牲になった支出。
・収益は利益の原因であり、収益から費用を差し引いたのが利益。つまり、
・収益−費用=利益(マイナスの場合は損失)
であり、プラスになれば利益、マイナスになると損失という。
・収益、費用そして利益が損益計算者のメインであり、これを理解することで損益計算書を細部まで読むことができる。取引が発生したら、勘定科目という細目で記録するが、約100項目以上の勘定項目がある。なお、勘定項目は丸暗記することはほとんどなく、日常的に使っている用語をそのまま使う。また、100項目の勘定項目のうち、会社によって常に使う科目は絞られる。そう考えてみると100項目ある勘定科目も恐れる必要はない。

・本書では、「会計の全体像」「財務諸表の仕組み」「勘定科目」「決算業務」「会計の実務」「分析の仕方」「企業会計原則」という7つの章から「経営成績と財政状態の違い」「財務会計と管理会計の違い」「資産と負債+純資産の違い」「一般の現金と簿記上の現金の違い」「本決算と中間決算の違い」など、混同しがちな会計用語を対比して、会計について分かりやすく解説した合計50の項目が紹介されている。

※こちらの本、簿記、つまり帳簿や財務諸表の作り方の本ではなく、会計の知識を身につけ、儲けの仕組みを理解し、ビジネスに役立ててもらうことを目的としています。

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