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石黒圭(編) 井伊菜穂子、市江愛、井上雄太、本多由美子(共著) 「日本語研究者がやさしく教える「きちんと伝わる」文章の授業」

・本書は、文章論を専門とする研究所の教授、文章・談話論、接続詞研究が専門の研究員、日本語教育学を専門とする特任助教など、国立国語研究所の研究者5名が、「文章を書くのが苦手」や上手になりたい人のために、「わかりやすく」「伝わりやすく」「感じのいい」文章の書き方について解説した1冊。

・「書いてみたいけど、何からはじめればいいかわからない」という人のために、「アイデアを簡単にまとめる方法が紹介されている。
・やり方としては、「単語帳のカードやふせんの粘着メモを用意し、書きたいポイントを頭に浮かべ、思いついた順にどんどん新しいカードに書き込んでみること。そのとき、「ちょっと今回は書かないかもしれない」ということも、物怖じせず一度文字にして名前をつけてみるのがおすすめ。
・普段考えていたことや気になっていたことを目に見える形にすると、自分の中には文章の種がこんなにあったのかと驚くかもしれない。
・つくったカードを見ると、内容がバラバラなので、1枚1枚のカード同士の関係を整理してアイデアをまとめてみること。きっと伝えたいことのキモが見つかるはず。
※カードの整理方法ならびに、どのようにまとめるかについては、本書をお読みください。

・情報を集めて文章を書くとき、書き方も重要だが、書こうとしている情報の中身も重要。例として、「朝食におすすめのアイスクリームの食べ方」というテーマで書かれた文章が掲載されている。掲載された文はこちら。

朝食におすすめのアイスクリームと食べ方
 今、アイスクリームにはまっていて、毎食欠かさず食べています。特に、朝起きて食べる冷たいアイスは、のども頭もすっきりして、最高です。アイスクリームには体によい成分が含まれていますし、さらに食べても太りにくいということなので、朝食にぴったりの食べ物だと思います。
 今日はコンビニでも買えるアイスクリームの中かららおすすめのものと、食べ方のアイデアを紹介します。
・この文章を「ウソを書かない」ということを「読み手に正しい情報が伝わるように書く」という観点で考えると、「一般的な情報」と「個人的な情報」に分類することができる。
・本書には「アイスクリームには、体によい成分が含まれている」が書かれているが、このような情報を多くの読み手に「なるほど」と思ってもらうには、読み手に疑問を抱かせないようにすることが重要。そのためには、情報源や参照元を示すこと。つまり、自分の想像で書いたのではなく、なんらかの根拠に基づいて書いたことを述べるのだ。
※今回の文の考察ならびに、そこからどのように修正されたかについては、本書をお読みください。

・本書では、「考えを形にする」「変化をつける」「中身を改める」「相手を思いやる」という章で構成されており、文章の書き方の5段階(考える日本語→表す日本語→読ませる日本語→整える日本語→伝える日本語)に分けて文章の書き方について事例を通じてやさしく解説した内容となっている。

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