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秋田将人「お役所仕事が最強の仕事術である」

・本書は、30年以上、自治体に勤務し、現在は書籍執筆、研修講師などを通じて、全国の公務員や自治体を応援する活動を行う著者が、公務員の実践的で特殊な技術を、ビジネス社会でも応用するためにまとめた1冊。

・地元住民や地方議会の議員、マスコミなど、公務員はこういった人達の物申しや叩かれなどに対応していく。そうしたトラブルやクレームを何とか乗り越えて生き残っていくためには、話し方、交渉術、反論術など様々な技術を駆使していかなければならない。
・このように、公務員にはトラブルを円満に解決する、あるいはそもそもトラブルを未然に防止する技術があり、一般のビジネスパーソン以上に、強く求められる技術を持っている。
・批判の隙を作らない守りの観点からすれざ、お役所仕事は最強の仕事術と言えると著者は思っている。

公務員の技術をビジネスで応用した事例(一部)

①公務員の話し方
・公務員の言葉の使い方の特徴の1つが、言葉の「表の意味」と「裏の意味」を明確にすることである。例えば、「検討する」という言葉の場合、表の意味は文字通りの意味、裏の意味は「検討しない」となるわけである。つまり、「検討する」は文字通りの検討であるが、本当は「検討しない」を意味している。
・公務員は言葉の使い方について極めて敏感。それは、条例などの法令や住民向けの文書などに対して、間違えないようにと、人一倍気を使っていることからである。
・「表の意味」と「裏の意味」を十分に機能するためには、どのような言葉を選ぶかが非常に重要となる。
・「鋭意努力する」、「善処します」などのお役所言葉は、ある意味では正確さを追い求めた結果、たどりついた言葉なのだ。わかりやすさを追求しすぎて、かえって墓穴を掘るような事態を避けるためには、どうしても言葉の選択には慎重にならざるを得ないわけである。だから、役所の文書や公務員の話はわかりにくいと言われている。

②公務員の文章術
・公務員は、様々な場面で資料を作成する(上司や議会への報告、新規事業の検討案など)。
・資料作成力は、公務員にとって非常に重要。なぜなら、一目ですぐに理解できる資料を作成できることは、仕事ができる人と見られるから。すぐに理解でなる簡潔明瞭な文書ら読み手を納得させる構成力・推理力などが、資料作成力に求められる。
・上手な資料の特徴として、
①用紙は、原則A4判1枚でまとめる
②すぐに結論がわかる
③簡潔明瞭な表現であること
④論理的な構成になっていること
⑤ビジュアル面を工夫している
が挙げられている。
※詳細については、本書をご覧ください。

・本書では、「間違えない、揚げ足を取られない公務員の「話し方」」「表現1つでら天国にも地獄にもなる公務員の「文章術」」「何とか自分の意向を通したい公務員の「交渉術」」「モンスタークレーマーにも負けない公務員の「反論術」」という章で構成されており、「聞き手を絶対に不快にさせない「話し方」」「読み手の質問を封じる「文章術」」「あえて相手に見下される「交渉術」」「組織戦でクレームに打ち勝つ「反論術」」という「守り」の仕事術の4つのスキルが紹介された内容となっている。

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