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吉田幸弘「リモート営業でも成果を出す!リーダーの解決力」

・本書は、リモートワークで部下と顔を合わせることができない状況で、どのようにコミュニケーションを取っていけばよいかを中心に、仕事の効率化を実現し、数字も確実に上がる工夫の数々を紹介した1冊。

1 「リモートを盾に対抗する部下が出てきた」
Q リモートになり、第三者の目がなくなり、1対1で話す機会が増えたとともに、自分の権利ばかりを主張する部下が出てきた。ちょっとした叱責を何でもパワハラだと騒いで逆に脅す悪質な部下が出ていて、叱ることができなくなっている。リーダーとして、どう振る舞えばいいか。
A 上層部や人事部に相談するのも手だが、向上心のない部下には(日報を送ってこないことを例とすると)、「◯◯さんがリーダーの立場だったら、日報を送ってこない部下に対してどう思う?」と部下にリーダーだったらといあ視点を持ってもらう形式で質問します。ここで、「困りますよね」「腹立ちますよね」という答えが来れば、「だから日報はきちんと送ってほしいんだよ」と返せばいいわけである。そうして部下は理解してくれる。
※もしも、それを理解しない部下がいた場合の方法もあるが、その手法については本書をご覧ください。

2 「退職につながる危険のサインが察知できない」
Q ここのところ部下が続けて退職を言ってきている。なかには、まさかと思う優秀な人材も含まれていて非常に驚いている。オフィスで顔も合わせていないし、リモートでの状態でも何か危険なサインを見抜く方法はないのでしょうか?
A 部下がメンタル不調な兆候として、
①よくため息をついている
②顔色が悪かったり、疲れたり、思いつめた表情をしている。
③営業で外出している際の折り返しの電話やメールが遅くなった
などがある。これらはメンタル不調に限らず、優秀で結果を残していたものの、気持ちが離れてしまった部下にも出る兆候である。退職するケースは主に、「後ろ向きな退職事由」と「前向きな退職事由」に分類される。
「後ろ向きな退職事由」の部下は、
・メールやチャットの返信が夜遅い
・朝礼の際、理由なしに顔出ししない
など、「心ここにあらず」の状態になっている場合がポイントである。このような状況を早めに察知したら、1on1ミーティングをこまめひ開いてヒアリングするとやめるのを防ぐことができる。
※「前向きな退職事由」の方々を引き止める方法は本書をご覧ください。
3「メールではうまく叱ることができない」
Q 職場で顔を合わせている頃は、できるだけ対面で叱るようにしていたが、リモートでメールがコミュニケーションの主流になり、叱るときのツールをメールにせざるを得なくなり、叱り方に困っている。
A 「叱る」意義は、相手の行動改善を促すことであり、どんなに強く叱っても、部下の行動が改善しなければ意味をなさない。また、メールは行間の裏にある相手の表情を読みにくいので、著者は「言葉は武器にも凶器にもなる」と考えている。著者が提唱する定型のパターンとして、
⒈ねきらいの言葉を入れる
⒉よくなかった行動
⒊改善のヒント
⒋未来に向けての言葉を伝える
が挙げられている。大切なのは最初から否定しないこと。人は最後の印象に大きく左右されるので、⒋(未来に向けての言葉を伝える)は重要である。また、部下に考えさせることは、部下の成長を鑑みることにつながるので、⒊(改善のヒント)を入れることも大事である。

・本書では、「メンバーとの信頼関係の再構築」「チーム力を高めるコミュニケーションの工夫」「困った部下をどう戦力に変えるか」「リーダー自身の生産性低下を防ぐ」という章で構成されており、先に紹介した項目の他にも、「部下のミスが目立ち始めている」「メール処理の時間を減らす方法」「ストレスを蓄積させず心と身体を整える」など、誰もが経験するリアルな34のトラブルが掲載された内容となっている。

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