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ながさき一生「魚ビジネス 食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める魚の教養」

・本書は、食としての魚をわかりやすく解説したり、ふるさと納税のコンテンツ監修や、ドラマ(ファーストペンギン!」の漁業研修を手がけるおさかなコーディネータの著者が、魚にまつわるビジネスを全体的に取り上げ、その世界観や大事な考え方、ちょっとした話題、明日使える豆知識などを紹介した1冊。
・日本の魚の「良さ」とは、「鮮度が良いこと」である。特に冷蔵で流通する生魚の鮮度はピカイチ。客観的なデータで示すことはむずかしいが、著者は「世界一なのではないか」と思っている。
・海外では、日本ほど魚を生で食べない。実際、日本に来る外国人には、「魚を生で食べたことがない」と驚きながら寿司を食べる方もいる。
・そして、私たち日本人には、どこかしら「魚は生が一番素晴らしい」という価値観(生食信仰)があるように著者は感じている。
・日本で生食信仰が進んだのは、「生の美味しい魚が手に入りやすい環境で、生の魚を美味しく食べる技術が生まれ、かつ生の魚が一番希少である」からではないかと著者は語る。
※なぜ日本では生の魚が手に入りやすい環境であるのか、魚の生食の歴史についての詳細については、本書をお読みください。
・本書では、「サバ缶」を主な題材として、水産加工の世界について解説した章がある。
・日本において、サバ缶ブームは、
◇2013年(第一次ブーム)
◇2016年〜2018年の頃(第二次ブーム)
◇2020年頃(第三次ブーム)
とこれまでに3度あったといわれており、それらは、一過性で起きた「点」の出来事というよりも、時代の変化と相まって、それぞれがつながって起こった「線」の出来事となっていることが特徴である。
・サバを缶詰はすることに、
①保存できるようにする
②流通しやすくなる
③使いやすくなる
④味を良くする
⑤機能性を上げる
という理由が挙げられている。
・缶詰は、非常食にもされるように保存期間が長いことが特徴。サバを生で冷蔵で保管をした場合、せいぜい持つのは3日ほどだが、缶詰にすれば、少なくとも3年は保存が効く。
・また、サバ缶にすると、タンパク質が消化されやすくなり、脂質についても、体に良いとされる不飽和脂肪酸のEPAは、酸化し安い性質があり、缶詰で密閉して酸素と結合しないようにすると、減らなくなる。
・これらは、サバ缶だけでなく、ほかの加工品の場合でも同じようなことが言える。
※日本でサバ缶ブームが起きた理由、サバ缶をつくる意味、世界の魚の缶詰(歴史や現在)の詳細については、本書をお読みください。
・本書は、「世界のセレブは、なぜ日本に魚を食べに来るのか」という序章から始まり、「寿司から学ぶ魚ビジネスの世界」「『ファーストペンギン!』から学ぶ漁業の世界」「近代マグロから学ぶ養殖の世界」「神経締めから学ぶ鮮度保持の世界」「サバ缶から学ぶ水産加工の世界」「豊洲市場から学ぶ水産流通の世界」など、序章終章を含む合計11章で構成されており、
◇なぜ日本の寿司は世界に広まったのか
◇養殖の魚は天然の魚と何が違うのか
◇繁盛している魚屋とそうでない魚屋の違いとは
◇朝に丸魚、夕方に刺身パックが並ぶのはなぜか
◇「〇〇〇〇」「〇〇」を謳うお店は信用できない
など、ビジネスパーソンが知っておきたい「教養としての魚」について日本や世界の事例を交えて紹介した内容となっている。
魚に関わる方々、魚を食べるのが好きな方々はご一読くださいませ。
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