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大野栄一「会議の成果を最大化する「ファシリテーション」実践講座」

・本書は、「すごい会議®︎」公式コーチで、これまでにおよそ130社1400人以上に指導し、クライアントによるリピート率9割を誇る著者が、会議を円滑に進める「ファシリテーション」の効果的なやり方を進行順(オープニング・意見を引き出す、まとめる・物事を決める、クロージングなど)に解説した1冊。

・ファシリテーションの役割とは、
①場が機能、働くようにするための、準備、段取り、手順、プログラム、メニュー、構造デザイン、マテリアル、進行そのものなど、その集団の意図、かつ目的を果たすための物理的側面での支援
②その会話する場に集うメンバー一人ひとりの心の動きや心の状態、そして、集まってきたメンバー間の関係の質などを考慮し、自己認識や自己開示、ひいては自己表現や促進するための心的アプローチという側面になる。
・①②の役割をビジネスに特化して捉え直すと、
◯目的を果たすこと
◯それに伴い組織が持つ能力の活性化と可能性を最大化する方法論
ということになる。

・会議はコンテンツではなく、コンテキストで決まる。例えば、「リンゴ」というコンテンツを扱ったとして、その時のコンテキストが、白雪姫の物語なのか、聖書に出てくるリンゴなのか、Appleの企業のシンボルとしてのリンゴなのか、など、同じリンゴでも、リンゴの意味が変わるのだ。
・会議で何をいうか、何を扱うか、はもちろん大事なのだが、それがどのような文脈の中で用いられているのかで、180度意味が変わる。だからこそ、会議はコンテキストの置き方が極めて重要になってくるのだ。

・会議でのコンテキストに該当するものは、オープニングスピーチである。会議の目的、そして参加者への期待をどう伝えるのか、すなわちどうコンテキストを置くのかで、仮に同じコンテンツでも違う意味を与える。ファシリテーターは、参加者である意思決定者に、コンテンツについて十分理解してもらう必要がある。
※本書では、「問題解決」というコンテンツでのオープニングスピーチの事例が収録されているが、詳細は本書をご覧ください。

・組織における怒りや悲しみの9割は、「そこにあるべきだと考えていたものがない!」ときに起こるということと著者が結論づけている。約束をドタキャンされた時などは少なくともいい気分ではない。怒りや悲しみが生まれるメカニズムは、そこにあるべきだと考えて疑わないものがなかったおきにおこる。これを「すごい会議®︎」的には、「合意されていない期待」と名づけている。
・組織における怒りや悲しみの9割は、合意されていない期待から生まれる。いわゆる、「これくらい、いちいちいわなくても察してくれるよね?」というやつである。
・そういったことが起こらないために、期待の合意を取る必要がある。しかし、その際に、「業務上のYes」と「燃えるYes」の2つがあるということを区別しておく必要がある。
※「業務上のYes」「燃えるYes」の詳細ならびにつくり方については本書をお読みください。

・本書では、「ファシリテーターとは、そもそも何をする人か?」「効果的な「会議の準備」を知っておく」「「最初の5分」でその日の"会議の流れ"は決まる」「ファシリテーターとして、どのように「意見を引き出すか」か」「ファシリテーターは、このように「意見をまとめる」」など、合計11章で構成されており、「コーチとファシリテーターと司会の違い」「本気のスイッチの入れ方」「宇宙で一番くだらないアイデアを会議では求める」「意外と重要なホワイトボードの使い方」「すべての失敗は記録に残せ」「オンライン会議で失敗しないための作法」など、ファシリテーションをする際の基本ならびに具体的な実践例が網羅された内容となっている。

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