見出し画像

河野英太郎「99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ」

・本書は、今すぐ使える、リーダーとして成功するヒント82を紹介した1冊。

・リーダーシップ研究の権威である、ハーバード大学のジョン・コッターによると、リーダーとは、「変化を見極め組織の向かうべきビジョンを掲げ、関係者を動機づけ、ビジョンに向かわせる人」と定義している。逆に、マネジャーは「決められた目標に向けて組織を管理し、目標を達成させる人」と定義している。著者なりに整理すれば、「リーダーは性善説にもとづき人をやる気にさせる仕事」「マネジャーは性悪説にもとづき人を管理する仕事」になる。

・リーダーに求められる能力とは、ジョン・コッターの理論でいえば、「ビジョンを構築」し、「人心を掌握」し「関係者を動機づける」ことだという。これは日々の生活や仕事の中で、だれもが発揮している能力だと著者は考えている。つまり、すべてのリーダーに求められるこの能力は、決して特別なものではない。ちょっとした「コツ」で誰でも身に着けることができる。

Chapter1「メンバー選びのコツ」
⒈「4番バッターばかり集めない」
・チームというのは、バランスのとれたメンバー構成にしなければならない。野球でいう4番級、エース級ばかりをチームに入れると、必ずうまくいかなくなる。それぞれの主張合戦がはじまって譲らない、もしくはだれかが強い不満をもったまま仕事を継続する、という状態が続くと、いつかだれかがチームを去るという結末につながる。チーム編成するときは、「前に出て引っ張る人」「全体を冷静に見渡す人」「専門分野で貢献する人」「それぞれを支える人」など、個々のリーダーシップの特徴を見極めることが重要。

⒊「異分子を入れる」
・議論=新しい価値をつくるためにするもの。チームを組んで仕事をする醍醐味はここにある。チームで仕事をするとき、合意された議論に対して、新たな意見が出てきたら、さらに高いレベルに届かせるための議論がはじまる。これが、新しい価値をチームで作り出していくのだ。この価値をつくり出すきっかけが、メンバーによる「反対意見」の表明である。価値をつくる議論を生み出すためには、異なる意見をもつメンバー(異分子)をチームに迎え入れることが必要。新しい価値を生み出すリーダーは、常に「異見」をもつ人を歓迎し、招き入れ、それを評価する人である。

Chapter3「メンバー評価のコツ」
⒈「評価を伝える」
・メンバーに、年次の評価結果を伝えるときは、結果の良し悪しにかかわらずまわりくどい表現や、 オブラートに包んだ表現は避けなければならない。もともと評価結果を伝えるその意味は、当人に将来に向けてさらにのばしてほしいことや改善のポイントを正しく認識してもらうとともに、今後の仕事の進め方に役立ててもらうことに主眼がある。したがって、メンバーには評価結果を正確に伝える必要がある。評価結果を伝えるときは、「直接的な表現」「正直な伝え方」「前向きで次につながる言い方をする」の三つを意識すること。その際に、「なぜこのような評価になったのか」を伝えた上で、今後どうすればよりよい評価につながるのかをメンバーと議論して、初めて評価結果の伝達が終了する。評価の伝達は、リーダーとメンバーの間の貴重なコミュニケーション機会である。これはビジョンや目標を改めて意識づけ、メンバーのモチベーションを上げるものでもある。

・本書では、リーダーとして成功するリーダーシップのコツを「メンバー選び・仕事の依頼・メンバー評価・トラブル対処・チームを前進させる・モチベーションを高める・人を育てる・自分を整える」という8つの章に分けて、最高のチームをつくるためのヒントが82の項目(安い同情はしない・悪い話は対面で聞く・細かいことはあえて言わない・悪口を言わない・完璧であろうとしない・性善説をつらぬくなど)として紹介された内容となっている。また、こちらは読むだけでなく、本に書かれている内容を実践することに意義があり、これを繰り返し継続することが、リーダーとして成功する最短の道であると著者は考えている。
#瞬読アウトプット  #1分書評 #discover #リーダー #リーダーシップ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?