井口嘉則「リーダーのための人を動かす語り方」
・本書は、ワークショップ方式の企業研修講師を多く務め、コンサルや研修の中でストーリーテリングを使った「語り方」の指導を年間100回程度のペースで実施する著者が、仕事や私生活、趣味等に「語り方」を活かす方法について紹介した1冊。
・実社会では、自分のことをよく理解してもらって相手のことを信用・信頼してもらったり、自分の考えをわかりやすく伝えて理解してもらったり、相手の話を聞いて理解してあげたり、説得して相手の考えを変えてもらったり、人を動かしたりすることといった「話し方」が重要であるにもかかわらず、学校教育では教えてくれない。
・また、「話し方」も重要であるが、その前に「話す中身」、自分は何についてどう思っているのか、どう考えるのかという、自分の考えをはっきりと持つということもそれ以上に重要である。
※なぜ日本人が話すことが苦手であるのかについては、本書をお読みください。
・「話し方」は「話す時の心がけ」や「言葉の使い方」的なテクニック論に陥りがちに対して、より深い「信頼感」や「相手の行動を引き出す」にまでつながるコミュニケーション。図るには、話し方をさらに一歩深めた「語り方」が必要になる。
・「語り方」に必要な要素として、
①エートス(倫理観)
②パトス(熱意)
③ロゴス(論理)
④イメージ
の4つが挙げられている。
・その人及びその人の言っていることが信用できるかどうか(エートス)、熱意・情熱によって人の感情に働きかけること(パトス)、話の中身の論理性や納得感(ロゴス)は、古代ギリシャの三大哲学者の一人、アリストテレスが著した『弁論術』でも語られており、現代でも通用する事柄である。
※④のイメージについての詳細は、本書をお読みください。
・本書で紹介されている「ストーリーテリング」とは、いわゆる物語を語ることであり、おとぎ話や偉人伝、創業者の話、自分の思い出話などを語ることは、みなストーリーテリングの一種なのだ。
・ストーリーテリングには、先に話した「語り方」の要素が全て揃っており、共感・共鳴を作り出す力があるのだ。
・ストーリーテリングの効果として、
①聞き手にリアルなイメージを与える
②聞き手が主人公に感情移入する
③出来事や状況に意味を与える
④場合によっては、聞き手に行動を起こさせる
が挙げられている。
・ストーリーは、語り方によって聞き手に、リアルなイメージをあたえる。そして、ストーリーがリアルであればあるほど、聞き手ないし観る方は、主人公に感情移入していく。
・ストーリーテリングは、その話を見たり聞いたりした個人だけでなく、大きな組織をも動かす力にもなるので、適切な語り方を学べば強い武器になりえるのだ。
※ストーリーテリングの効果の詳細ならびにそれを身につける方法については、本書をお読みください。
・本書では、「話し方だけては足りない理由」「語り方に必要な要素が揃ったストーリーテリングの概要ならびに詳細」「自分を理解してもらうにはどうすればよいか」「成功するプレゼンの要素とは」など、相手に刺さる語り方の活用法ならびに、その身につけ方について紹介された内容となっている。
読むだけでなく、ぜひ実践をオススメします。
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