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(著)望月竜馬(絵)ジュリエット・スミス「I Love Youの訳し方」


・本書は、編集者であり、ライター、ロマンチストである著者が、100人の作家の小説や詩、手紙の中から選りすぐりのI Love Youの訳し方100を紹介した1冊。

竹久夢二「話したいことよりも何よりもただ逢うために逢いたい」
逢いたい、という気持ちは、ため息のようにふっと漏れ出るものである。なぜ逢いたいのか、逢ってどうしたいのか、そんなことさえわからないまま、無性に、ひたすら、逢いたくなるときがある。恋をした人間の心境は不可解なものだ。

藤野恵美「ありがとう、わたしのことを好きになってくれて」
幸せは、人を怠惰にする。どんなに探し求めていたものでも、一度手に入れてしまえば、いずれその価値に慣れてしまう。満たされていると、人は危機感を忘れてしまうのだ。たが、幸せとは、すでに完成されたものではない。手に入れてから育ててゆくものだ。感謝や愛情といく栄養を与えなければ、さびしさという日陰ですぐにしおれてしまうだろう。

折原みど「『好き』その、たった二文字を声にするのが、どれほど、難しく思えたことか」
人が緊張する原因は、「よく見られたい」と思うことにある。面接を受けたり、大勢の前で話したりするときら失敗しないようにと気負いすぎるから緊張する。ならば、好きな人の前で緊張してしまうというのも、至極あたりまえな話だろう。嫌われたくない、嫌われたらおしまいだ、この人がいないから生きていても意味がない・・・・・・。「好き」の二文字が充満した精神状態では、身動きが取れなくなってしまうものなのだ。だから、よく見られようとのんねしなくていい。ありのままの姿は、案外誰の目にも魅力的に映るものだ。

本書では、「情熱的に」「感情的に」「個性的に」「狂気的に」「浪漫的に」という章で構成され、その中にI Love Youの100の訳し方が収録されている。また、「恋と愛のちがいとは?」「別れた恋人のことを忘れられている?」「恋にまつわるカクテル」「ちょっぴり怖い花言葉」というコラムも魅力のひとつ。

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