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太陽よりも眩しい星 21話レビュー【ネタバレ注意】

こんにちは、ちーです。

2月13日、別冊マーガレット3月号にて、「太陽よりも眩しい星」episode.21が公開されました。

20話後半から展開している神城目線のストーリー。
21話ではいよいよ核心に迫る中学時代編ということで、2月に入った頃から早くもドキドキそわそわ。

20話のレビューでも触れたのですが、神城目線のストーリーはたまほしを読むにあたっての個人ゴールなのです。

ドキドキを通り越してキリキリするくらいの緊張感。

これ、心臓と胃やられてないか??

と不安になりながらも、対策グッズを用意して、運命のバレンタインイブを迎えました。

すると…。
さすがストーリーテリングの鬼、河原和音先生。
私の予想とはまったく違う角度で鮮やかな切り込み!
想像からかけ離れた神回が待っていたのです…!

面白くて楽しくて切なくて、45ページが一瞬で終わり、でも振り返ってみれば情報量は多くて。

すごく不思議な読後感でした。
ここ最近のエピソードの中では一番消化に時間がかかった気がします。

なお、事前準備した酸素ボンベは不要だったことをご報告いたします。
憂いを恐れて備えすぎたパターンでした。

でもこれで今後いつでも呼吸困難OKです♡

さて、今回もレビューさせていただきます。

しつこいようですが…。
事前にレビューを読まない方が原作を100倍楽しめます!

今回は2月24日(金)発売予定の5巻の続きです。

単行本派の方も2月下旬まで待っていただき、ぜひ5巻と別マ3月号をご購入のうえでレビューへお進みください🙇

河原先生が意図するキュンを正しく摂取していただくため、なにとぞご理解・ご協力をお願いいたします!







…大丈夫ですか?
皆さん、読まれましたか??

ではレビューにまいります。


21話の岩田朔英(高校生)

我らが朔英ちゃん、ひたすらに天然可愛いです!!

部活中、神城と一緒に帰る約束を思い出して照れる朔英。
力が入りすぎて破壊工作員と化して、先輩・後輩が遠巻きに震えてるの、声出して笑いました。

1回 神城のことは忘れよう
ケガ人出すか器物破損してしまう

別冊マーガレット2023年3月号 327〜328ページ参照

たまほしってこんなにバイオレンスな作品でしたっけ???
あっ神城が暴れてるか。

お付き合いしたてで浮かれる女の子のモノローグとは思えない。
でもとっても朔英ちゃんらしいこの表現。
唯一無二で、さっすが河原先生です!

あと部活を頑張りすぎて汗だくなのを気にしてるところ。
待ち合わせた神城からススス…と距離を置いて「え どうしたの?」と驚かれています。

実はここ、個人的にじわじわと感動するポイントでした。

12話の映画デート回。
朔英は神城の横顔をじーっと見つめてるのに、神城が朔英の方を向くとさっと視線を反らして、距離も少し空けてるんですよ。

神城はそのたびに「距離取られた…??」って気にしてたはず。

神城がデートをしたあとも自信がなく、鮎川くんとの関係を気にしてしまったのは、この辺も影響してる気がします。

でも、「ずっと神城!」の言葉をもらった神城は
躊躇なく「どうしたの?」って訊けるんですよね。

もともと隠しごとの下手そうな神城が、遠慮なく朔英に思ったことをぶつけ出してるんですね。

じれったい中高の関係から、小学生の頃の何でも話せる関係に戻りつつあるんだな、と。
はーーーー多幸感……♡

そんな神城にひたすら頬を染める朔英ちゃん。

なんというBest of ピュアピュアカップル……!!!
直視できない!!!
君たちふたりとも、間違いなく太陽よりも眩しい星だよ!!!!!(涙)

朔英は大好きな神城に好きな子がいると言われただけで、即座に身を引くと決意する子。

自分の幸せよりも、神城や周りのみんなの幸せを大切にしている節があります。

小学生の頃から神城が困るたびに助けてきたのも含めて、完全に尽くすタイプ。

自分が甘やかされるイメージがわかないので、神城からグイグイとこられるとひたすらタジタジしちゃうんですよね。

神城と朔英は、ふたりとも素直で優しくて、共通点はいっぱいあるんですが。

神城が
俺が幸せにする!
俺のこと好きになって!
(鮎川と話すのやだ!)
と独占欲丸出しで番犬セコムするのと、
朔英の愛情の持ち方は対照的だなぁと思います。

朔英はひたすらに「神城がすき」という気持ちだけをあたためてきて、その先を想像したこともないんだと思うんです。

でも神城はたぶん違ってて。

その辺の欲求の大きさの違いをこの先どう埋めていくのか、とっても楽しみです♡


21話の神城光輝(高校生)

今回のエピソードは鮎川くんとの絡みを抜きにして語れません。

毒舌モードの鮎川くんにおちょくられて、いちいちつっかかってやり込められる神城。

正直、今回は中学生編よりも、
鮎川くんとのコンビ結成がメインなのでは?と思ったくらいです。
(そんなわけないw)

19話のレビューにも書いたのですが、重要な場面では、朔英と神城が横を向いてお互いに向かい合うという象徴的な構図が多用されています。

今回、この構図が3回出てきました。

①小学生の神城が、朔英がなくしたハンカチを見つけて渡しているシーン

なんて言えばいいかも
どうすればいいかも
わかってなかったけど

本当だった
小さくてもガキでも

別冊マーガレット2023年3月号 331ページ参照

②鮎川くんと神城の対局の投了シーン

③神城が手をつないで朔英をデートに誘っているシーン

私は②を、神城が朔英と同じくらい真剣に鮎川くんに向き合ったという描写だと解釈しました。

朔英目線ではかっこつけてる神城が、鮎川くんの前では小学生に戻ったように直情的で可愛かったです。

なお、発売日深夜に開催されたTwitterのスペースでは「小学生城」と呼ばれてました。
(神城の名字、百段活用できそうですね??)

とは言え、朔英との仲も進展しました。

帰りの待ち合わせでさっそく手を握って、休日デートのお誘い。

えっまだお付き合い開始から24時間経ってないですよね!?

告白シーンで涙を拭えなかった男とは思えない行動力。

さては神城、速攻得意だな???

このぶんなら最初のデートでキッス
半年後に仲が深まり
1年後にプロポーズも夢じゃない!!!

いや嘘です。
たぶん鮎川くんとの決着がついて、今は勢いがあるだけだと思います。(笑)

でも、小学生の頃から朔英に対しての思いやりや愛情を常に行動で示してきた神城なので、その意味では意外と今後のお付き合いもスムーズかもしれませんね。

ピュア城な小学生城がスパダリ彼城に成長する姿を、今後も愛を持って見守ってまいります!


21話の鮎川陽太

鮎川くん、覚醒してませんか???

前回、神城を将棋に誘って、初心者向けの棋書を顔に投げつけた時から漂ってた素の雰囲気が今回爆発しております。

「おまえ…話を長いな」
「おまえ何も考えてなさそうなのにな」
「おまえがハッキリしないからだろ」

何なのこの珠玉のツッコミの数々…!?

神城への雑な扱いと、
朔英が人狼が苦手だと聞いた時の「へー可愛いね」
(あっこれ「岩田さん全肯定マシン」だ!)

絶妙な甘辛っぷりに鮎川くんの摂取が止まらなくなりそうですが?!?!?!

しかも神城を将棋でボコボコにしながら、朔英への気持ちをぜんぶ聞き出したあと。
「負けました」と丁寧に頭を下げるわけですよ…!!!

盤面は、あと一手で詰み。
それを眺めて静かに片付ける。
その描写が余計に切なくなります。

それでも鮎川くん、完全撤退ではありません。

将棋で決着がついたのかな…??
と、思わせてからの揺さぶり。

わざと教科書を忘れて朔英と机をくっつけて、
神城に見えるように朔英にナイショ話。

嫉妬の煽り方、プロ級か?!

授業が終わったら即座に鮎川くんを廊下に呼び出す番犬神城。

「おまえ、岩田と何話してたの?」

「神城とお幸せにって
岩田さんと友達でいるのもだめなの?
おまえそーゆー小さい男なの?」

別冊マーガレット2023年3月号 369ページ参照

セコム城、ぐうの音も出ず反論できず。
そこに追撃。

「まあ友達だけど
おまえがまた岩田さん泣かすようなことがあったら
その時はやぶさかではない」

別冊マーガレット2023年3月号 370ページ参照

この時の神城、完全に小学生。
20話で兄ちゃんに朔英のハートのクッキーを食べられた時と同じ顔。

鮎川くん、恋に破れたはずなのに圧倒的勝者の風格。

アンタすげぇよ…!!!
ぜひ今度も良い感じに引っかき回してくださいませ。
(あと友達少なくて心配してたので、神城と親友になれそうで良かったね♡)


鮎川vs神城の対局内容

駒の動かし方もわからない神城相手に、駒を落とさず対局って通常ならあり得ないんですが、鮎川くんは神城をちくちく煽りながら対局を進めていきます。

「神城おまえ弱いな」
「負けにする?」
「(ため息をついて)弱い」

的確に神城を煽る鮎川くん。
煽りにいちいちムキになる小学生城くん。

もうふたりとも好きすぎるーーー!
永遠に対局しててください!!!

きちんと描かれた盤面は投了図のみ。
たくさんの駒がずらりと並んでます。
「これは神城から取った持ち駒を打ちまくってるな?」と笑っちゃいました。

朔英との対局では持ち駒をほとんど使ってなかったのと対照的ですね。

「岩田さんの方が筋が良かった」はそのとおりなんでしょうけど。
そもそも学童で少しでも指した経験がある朔英と、リアルタイムで動かし方を学んでる神城を一緒にはできない。

「(ため息をついて)弱い」の前の神城は玉将の前に守りの要である金を上がってて、初めてにしては悪くないんじゃ?と私は思いました。
(焼け石に水であったとしても)

投了図は鮎川くんがゴリゴリに神城の玉に迫ってて、完全包囲状態。

鮎川くんならもっとスマートに詰ませることができると思うので、朔英との対局の時と同じく、わざと対局を長引かせているように見受けられます。

神城の玉の周りを駒で囲んで、視覚的に圧倒的な強さを演出するため。
それに、神城からじっくり話を聞くために。

「おまえ…話長いな」と辛辣なツッコミを入れつつ、次の話を促していることからも、鮎川くんは神城の話を聞いて、気持ちに区切りをつけたかったんだと思います。

※話が長いと言われて「もう話さねーよ!将棋しよーぜ!!」と怒った神城が、鮎川くんに話を促されてすぐに続きを話し始めたの、ほんとに素直だなー!と笑っちゃいました。

あと一手で詰む局面で「負けました」と投了する鮎川くん。
神城の真剣な想いや、人となりを確認して、納得せざるをえなかったんだな、と。

ちなみにTwitterのスペースで「この負けましたで深々とお辞儀するのは、通常と比べてずいぶん丁寧なのでは?」と質問を受けまして。
ちょっと回答が難しかったです。

アマチュア初心者女子の教室や大会では、基礎から習ってる人が多いし、一局一局にすごく没入するので、投了の時にもこのくらい丁寧にしていました。
でも指し慣れてる高校生男子の「普通」はわかりません。
プロの対局はまた別次元ですし…。

ただ、鮎川くんにとって丁寧に終わらせるべき重要な対局だったというのは間違いないんじゃないかな、と思います。


21話の香川美織

小さな無言の2コマで存在感抜群のみおちゃん。
神城ウォッチャー、いい仕事してます!

最後の仲良しトリオのひとコマも良かった。
今後は朔英ウォッチャーとしても活躍してくれそうです。(笑)


21話の神城光輝(中学生)

新しいエピソード満載でした!
特に神城にとって心身・環境ともに大きな変化のあった中1の頃が詳しく描かれています。

・朔英とクラスが離れて、距離ができて寂しい気持ち
・背の低さへのコンプレックス
・急に伸び始めた身長
・成長痛ときつくなった制服
・突然背中を殴って「ダサ…」と言ってくる昴
   (通常運転のドSたまらん♡)
・キャーキャー言い始めるモブ女子たち
・朔英がつらいときに声をかけられないやるせなさ
・朔英を支えたくて、もう一度近くに行くと決めた気持ち

中学校の直接的な回想は約15ページですが、そこに神城の気持ちと成長がぎゅぎゅっと詰まっていました。

あと個人的に気になったのが筋トレと美肌が出てきたこと。

令和版モテ男は高身長+イケメンだけじゃダメなんですね!
勉強になります!

回想の冒頭はピカピカの新1年生のふたり。

ブカブカの制服の神城も、もう伸びないと信じてぴったりの制服を買う朔英もかーわーいーいーーー♥♥♥♥♥

そして河原先生が朔英のセリフの横に「伸びる」ってちっちゃくツッコミ入れてるのめちゃくちゃ好きです。(笑)

朔英のクラスメイトを聞いた神城が「あんま仲いい人いないね」と言ってるところ。

さらっと言ってるけど、これって、
朔英の交友関係をぜんぶ把握してるってことですよね???
とニマニマしました。

20話のチビ城、教室でわんこみたいに朔英に話しかけてましたもんね。
小学校までは本当に仲良しで何でもわかってたんだろうな、と。

そのぶん、朔英との距離がある中学校時代は余計にもどかしかったんだろうな…。

そういえば、もう一度12話の映画回を引っ張り出しますが、映画を見たあとにしゃべり倒して「(俺ら)10年目!」と錫婚式みたいにアピールしてましたよね。

朔英はたくさんしゃべって「ぽっかり抜けてた中学の3年がうまったようなかんじがする」と感想を持ってたけど、あれもまた3年間の距離を埋めるべく神城が奮闘してたのかもしれません。

中学の話に戻りますが、ここでも神城は渡辺と仲良しですね。
このふたりの友情は一生モノなんだろうな。

イケメン化した神城は、周りの女子の変化で人間不信になってもおかしくない雰囲気です。

だから、家族や渡辺、サッカー部の仲間と変わらずに仲良しだったのは、すごく救いだったんじゃないかなーと思います。

一番身近な同年代女子である昴が、相変わらず雑に扱ってくるの、実は精神安定剤だったかも。
神城本人は意識してなさそうですけどね。
(朔英で頭がいっぱいだから♡)


21話の神城兄ちゃん(回想)

ゆるダルイケメンあらわる!!!♡

優心、君が敵視すべきはピュアピュア一途城じゃなくて絶対モテてチャラいであろう神城兄ちゃんですよ。

ダイニングテーブルに両足曲げて座るって何なのー!?
イケメンにしか許されない所業ですよ!?

ゆる天パの笑顔で弟の受験勉強にコーラ差し入れ!
合格発表を一緒に見てあげる!!

チャラそうなのに見た目と人格を兼ね備えてるーーーー!!!!!

クッキー"バキィッ"モンスターからの進化が著しい。

もうこんなのモテるに決まってる。
早く名前が出てきて欲しいです。

ついでに従兄の優ちゃんのビジュアル解禁も待たれます。
神城家の血筋に期待しかないです!!!


過去話との答え合わせ

今回も過去のエピソードをなぞって、答え合わせになっている箇所がありました。

重要なエピソードが明確になっているところもたくさんあったので、書き出してみます。

■神城の牛乳ぎらいの克服

1話、20話参照。
牛乳ぎらいで小学校では6年間、朔英に給食の牛乳を飲んでもらってきた神城。

21話の中1のエピソードでは、朔英のことを「あの女子でっか!こえー」と嘲笑っていたバスケ部男子に身長差でまったく敵わず、大嫌いだった牛乳を飲み始めます。

「大きくなりたかった
俺のモヤモヤがそれで全部
解決するような気がしたんだよ」

別冊マーガレット2023年3月号 341ページ参照

■神城のイケメン化

1話参照。

細くて小さいけど
すごく大きかった私の中では
すごくかっこいい男の子だった
まわりの友達が誰も光輝を好きじゃなくてほっとした
でも背が6年から伸び出して
中3の今 誰が見ても本当にかっこいい人に
(中略)
私が好きだった光輝くんは
多数が一般的にかっこいいと思う神城くんに
なってしまいました

1巻 21〜25ページ参照

朔英が神城との距離を一番感じた見た目の変化。

今回、急成長した神城は中1の秋に朔英の身長を抜かしたと、具体的な情報が明かされました。

■男子は男子、女子は女子

12話参照。

「なんか急に、男子は男子、女子は女子
みたいな感じになったよね」
「クラス一緒ならもっと話したと思うよ」

3巻 154ページ参照

同じクラスだったら、ガチでめちゃくちゃ話してたな…。
何なら休み時間のたびに朔英のとこ行ってたな!
って、21話を読んで思いました。(笑)

■岩田おはよー

1話、18話参照。

朔英を見かけるとすぐに挨拶に来る神城。
18話の朔英の回想では、朔英が校庭の隅でパンをかじってたら「パンだー」って話しかけてます。
細かいネタ拾いすぎです。

高校でもすごくこまめに声をかけてきていますよね。

正直、朔英が相手じゃなかったら秒で好意に気づいてると思うんですよね…。
だってepisode.1だけでもくっつく要素めっちゃありますよね?!

ただ、逆に言うと、朔英が鈍感なおかげで長期連載が見据えられているということでもあり。
たまほしラヴァーズとしては文句を言う筋合いはないのです。

どこまでも鈍感力を発揮してください!!!

■中3運動会のたれ幕(旗)作り

1話、12話参照。

制作中、朔英をチラ見して見惚れてたんですね。
なるほど、なるほど。
委細、承知いたしました♡

■中3運動会の借り人競争

1話参照。
「好きな人」の札が出たことを隠して、確認担当の渡辺が「大きい人」とごまかし、傷ついた朔英に実は「可愛い人」だったと説明する神城。

「誤解しないで」「わかってほしい」
の神城のモノローグと一緒に回想はずるい。
涙腺 決壊ィィィ………!!!

■北高の受験

1話参照。
中3運動会の準備中、朔英が北高を受験すると聞いて進学先を決めたことが明かされました。

内申DランクからYouTubeで受験勉強。
塾なしで受かったのは相当すごいのでは???

やる時はやる男、神城光輝!!!

■俺のこと好きになって

3つの回想シーンとともに、神城のモノローグが語られました。
右から順に書いていきます。

①いいよ、通って!の場面

4話参照。
研修旅行で、友達の荷物をたくさん持った朔英がドアに挟まれた時、すばやくドアを開けた神城。

「ありがとう」
「なんもー」で満面の笑み。

ふだん朔英に「大丈夫」と手助けを断られることが多いので、「俺が朔英を助けたぞー!」という成功体験になっていそうです。
ドヤ城かわいい💞

②ボート転覆時に朔英を助けた場面

5話参照。
研修旅行中、神城に好きな人がいるとわかった朔英が、神城を避けるようになったエピソードです。

神城、学祭前の鮎川くん猛攻中くらい目が死んでます。

何とか朔英と同じボートにふたりで乗り込んで、「今日俺のこと避けてない?」と切り込んで話していたら、あとから来たボートがぶつかって転覆。
慌てて朔英を助ける神城。

この場面が一番大きく描かれていたので、すごく神城にとって印象的な出来事だったことが伺えます。

※個人の解釈ですが、前日の夜に好きな人がいることが朔英にばれて、「かっこよかったよ」「神城のこと知ったら絶対神城を好きになると思うよ」と言われて、「よーし俺のこと知ってもらおう!」と朝からウキウキで話しかけたら避けられてガガーン!という印象ですw

③英フェスで舞台の下に落ちた朔英を助けた場面

9話参照。
状況がわからなくても好きな子にサッと手を差し伸べる神城。
これは文句なしにかっこいい!!

■井沢蹴り飛ばし事件

2話参照。
本誌ではっきり書かれていた優心の台詞が、単行本ではうっすらした手書きの「八郎」以外消されていると話題になっていましたが、今回明確になりましたね。

本誌掲載時の台詞とは少し変わっていましたが、主旨は同じです。

どちらにしてもアホやな〜優心…。
仮に神城に蹴飛ばされてなかったとしても、たまほしラヴァーズの冷たい目線で凍るが良い。

■高校で岩田に好きな奴いるってわかったけど

7話参照。

高校で岩田に好きな奴いるってわかったけど
それが誰でも
誰が相手でも
それでも俺はずっと
(中略)
俺は岩田が好きだったんだ

別冊マーガレット2023年3月号 358ページ参照

「そいつ岩田のことどう思ってるの?」 

「そいつ知ってんの?岩田の気持ち
知らないんだったら言わないままでいいの?」

「それで気まずくなるような奴なら
好きなのやめていいよ」

「何もしなかったらずっと気持ちが残っちゃわない?」

「岩田にはがんばってすっきりしてほしい!
怖がらないで大丈夫だから
もしフラれても俺がすげーなぐさめるから」

2巻 121〜127ページ参照

いやあの、21話では良いこと言ってるけど。

7話の神城くんさぁ…。
朔英がフラれる前提で話すのやめてさしあげて?

当時も「んん?」と思ったけど、今読み返すとますます「コラー!」とツッコみたくなるw

「フラれた岩田を慰める俺」→「あわよくばそれで好きになってもらう俺」という都合の良い図しかイメージしてないですよね???

ある意味、優心よりも楽天的w

でも、それで想い人と思われる鮎川くんとの距離が近づいたら闇堕ちポンコツ城化したので(16話参照)、この時点ではまだ実感がなかったのかな。

自分が相手で本当に良かったですね…!
(しみじみ)


禁断のヒーローモノローグ

20話のレビューでも書きましたが、河原先生はもともとヒロイン以外のモノローグを書かない、というのをポリシーにされていたそうです。

そんな禁断のヒーロー目線のモノローグ、書き出しておきます。

20話
「俺たちは中学ではじめてクラスが離れることになる」

21話
「誤解しないで」
「わかってほしい」
「俺が 追いつくから」
「俺のこと 好きになって」

説明は不要ですね。
ただただ沁みます…!!!


フェンスと扉

今回、ふたりの距離を示すメタファーとしてフェンスと教室の扉が出てきました。

フェンスは以前からもたまほしラヴァーズの間でたびたび指摘されていましたが、教室の扉は初めて。

どちらも効果的に使われていて、切なさが詰まっていました。

そこで、過去のエピソードでの教室の扉とフェンスを振り返ってみます。

①教室の扉

【1話】
中3の健康診断。
教室の扉が外れて後ろに倒れてしまう朔英。
たまたま廊下にいて、倒れた朔英に「大丈夫?岩田」と手を差し出す神城。
かっこ悪いところを見られた朔英は「うん平気!」と笑顔で言って、差し出された神城の手を取らない。

1巻 7ページ参照

→扉から飛び出してきた朔英に積極的に手を伸ばすけど、朔英に拒否されてしまう神城、という構図になっています。
神城目線だととっても切ないです…。

【13話】扉絵
高校の音楽室から出てくる朔英と、
廊下にいて朔英にぶつかりそうになる神城。
見つめ合うふたり。

扉は開け放たれていて開放的。

4巻 4〜5ページ参照

→映画デートの直後のエピソード。
ふたりの距離が近づいていることが伝わります。

本誌は2022年7月号、連載1周年突破記念の表紙&巻頭カラーでした。
作中もリアルも夏ということもあって、とっても爽やかで清涼感のある扉絵です。

【18話】
学祭の受付の時間になったものの、なかなか来ない神城。
朔英は小学生の頃、神城がインフルエンザで休んでいた時のことを回想する。

教室の扉の内側に立ち、外を覗き込んで、神城が登校するのを待つ朔英の姿。
「こうき くるかな」
「あしたは くるかな」


受付に遅れて到着した神城。
朔英は小学生の頃の回想をもう一度続ける。

登校してきた神城。
教室の扉の外に出て神城を出迎える朔英。

別冊マーガレット2022年12月号 208〜210ページ参照

→小学生の頃のふたりの距離がとても近かったことがよくわかるエピソードです。
朔英が教室の中で待っていて、神城が来たら扉の外に出て出迎えるところが特にすきです。

この場面では、扉があたたかさの象徴のように感じます。

【21話】
中学校入学後、朔英とクラスが離れた神城。
朔英が別のクラスの教室の扉に入っていく後ろ姿にしゅんとする。

鮎川くんに当時の話をしながらこう表現する。
「隣のクラスの壁はバリアみたいだし」

別冊マーガレット2023年3月号 334・336ページ参照

→いつも真っ直ぐで迷う素振りを見せない神城が、突破できないモヤモヤを感じていた時期が中1なんですね。

それにしても…河原先生、小学生・中学生・高校生の描き分けが巧すぎます。
見た目だけじゃなくて悩みや言動が本当にリアル。

神が細部に宿りまくっています。
そのうち少女マンガ界の出雲大社と言われるかも…??
(比喩がわかりにくい!w)

お子さんを育てた経験からでは?と言われていますが、それだけではない底力を感じます。

こまかな成長記録や並外れた観察力と好奇心の為せる技?
お子さんの友達にも話を聞いたりしてる??
と、あれこれ勝手に妄想しております。

天才の一言では片付けられない努力がありそうです。

②校庭のフェンス

中高と朔英がテニス部なので、部活中には必ずフェンスが出てきます。

サッカー部の神城はすぐ隣にいるけど、フェンスで隔てられている。

それがふたりの距離を示しているのでは、という説が以前からありましたが、21話では特に効果的にフェンスが使われていました。

いっぱい出てきますが、書き出します!

【1話】
神城と一緒に綱引きの網を運ぼうとしたら、女子たちに話しかけられている神城を見てしまった朔英。

朔英が自分に声をかけず、ひとりで重い綱を運んでいることに気づいた神城。

1巻 44〜45ページ参照

→どちらも背景にフェンスが描かれています。
最初から「別にフェンス隔ててないじゃん」な箇所ですみません!

フェンスで隔たれているわけじゃないのに、ふたりの距離がある場面でフェンスが描かれていたので、ついピックアップしてしまいました。

フェンスくん、こんな初期からしごでき!

【1話】
「違うんだ 違うから本当は 借り人の札…
『可愛い子』だったんで 岩田を思い付いちゃって」

1巻 59〜62ページ参照

→1話の名場面の背景にも、なんとフェンスが!!!

フェンスの前でふたりが並んでたら名場面説、あり得ますね!?

【3話】
神城をホールドオンした翠ちゃんと一緒にテニス部に入部した朔英。
翠ちゃんに「神城けるとこみして!」と言われ、フェンス越しにサッカー部の神城を眺める。

1巻 133ページ参照

→ここでは翠ちゃんが神城への気持ちを隠さず、素直に距離を詰めていくことが心に引っかかっている朔英。
翌朝は「長く見てたから偉いわけじゃない…」と考えながら登校しています。

うわーん、切ない…!
朔英ちゃん、そいつ翠ちゃんには1mmも興味ないから大丈夫だよ!!!
(それはそれで翠ちゃんが可哀想だけどもw)

【6話】
大縄とび大会の練習をする場面。
なかなか飛べない香川さんが校舎の裏で練習しているのを朔英が見つけて、最終的に朔英・翠ちゃん・神城・鮎川くんの4人が協力して一緒に特訓する。

2巻 61〜68ページ参照

→何ということでしょう。
この名場面の背景にもフェンスが登場していました。

意識してないだけであちこちで仕事してたんだなぁ、フェンスくん。
今まで気づかずごめんなさい!

【6話】
テニス部の練習に力が入る朔英。
力強いスマッシュがフェンスに直撃。
テニスボールがフェンスにめり込み、取れなくなってしまう。

フェンスの向こう側にいるサッカー部の神城が気づき、朔英に微笑んでからテニスボールを人差し指で押して外す。

2巻 87〜90ページ参照

→研修旅行で神城に好きな人がいると知り、あきらめて友達として接すると決めた朔英。

6話ではしつこいほど神城を友達だと言い聞かせます。

※台詞で2回、モノローグで19回、神城を「友達」と言ってました。

熱心な練習は神城を忘れるため。
でも神城は友達という名目なんて気にせずにグイグイいくし、いつだって微笑みかけてくるんですよね。

わるい男だ神城〜〜!

【8話】
部活中、神城のサッカーボールが飛び込んできてラケットで受ける朔英。
フェンス越しにサッカーボールを投げた朔英に対して、神城はにこにこ。

「反射神経めっちゃいいね」
「コントロールもいいね!」

2巻 139〜141ページ参照

→神城に告白すると決意した朔英。
体格の良さにコンプレックスがあるので、「こういうのはもういいから、いいところを見せたいなぁ」と落ち込みます。

朔英ちゃん、神城の顔をよく見てみなさい。
朔英と話せてニッコニコだし、運動神経べた褒めよ?
なんならわざとサッカーボールを蹴り入れたまであるよ???
(たまほしバイオレンスver.ふたたび)

危険なので良い子のDKは絶対真似しないでください!!!

【8話】
テニス部で球拾い中に、サッカー部の神城(と渡辺 )の後ろ姿を眺めながらのモノローグ。

神城すごい困ってた
本当に苦手なんだろうな
『英フェス』って何するのかよくわからないけど
一緒に選ばれたし
助けたりできたらいいな

2巻 152ページ参照

→後ろ姿をフェンス越しに見つめるのが切ないです。
このあとも部活中に神城を見つめているシーンが何度か出てきますが、明確にフェンス越しだったのはこのシーンだけなので代表で取り上げました。

【13話】
マラソンのあと、フェンスの前の木陰で休む朔英と、あとから合流する翠ちゃん香川さん。

学祭が告白イベントだと話す翠ちゃんと、
改めて告白を決意する朔英。

そこに笑顔で話しかけてくる神城。
「岩田、ゴール見たよ2位だったよね
やっぱ速いな!!」

4巻 11〜18ページ参照

→朔英は過去にも何度か告白を決意して、2度あきらめています。
今回が3度目の正直になるのですが、その決意をした瞬間がフェンスの前というのは、何か象徴的な気がしました。

【19話】
学祭の後夜祭がスタート。
神城から朔英へ、花火を一緒に見ようと声をかけて、校庭の隅のフェンスの前へ。

お付き合いの申し込みと承諾、
そして流れる「打ち上げ花火」

別冊マーガレット2023年1月号 370〜375ページ参照

→ギャーたまらんんんんんん♡♡♡
この場面は未だに的確に表現できなくて引き続き語彙力募集中です!!!!!

【20話】扉絵
フェンスの前で花火を見ながら笑顔で話すふたり

別冊マーガレット2023年2月号 341ページ参照

→未だに眩しくて直視できない…ッッ!!!
うわーん尊いよ!!!
この瞬間よFOREVER!!!

【21話】
中1の秋、神城はサッカー部の友達に誘われてテニス部の新人戦の試合観戦へ。
競合相手のシングルスで負けてしまった朔英。

神城はフェンス越しに見守るが、声をかけることもできずにただフェンスを握りしめる。

別冊マーガレット2023年3月号 350〜352ページ参照

→朔英目線で切ないお仕事を何度もしていたフェンスくん、神城目線でもめちゃくちゃ働いてたんですね…!

おそらく神城が初めて見た朔英の涙。
はがゆい思いがフェンスを握りしめる手に表れています。

対フェンスについても、遠くから眺める朔英と直接握りしめる神城で、恋の温度感の違いが感じ取れるような気がします。

ここで神城が
「もう一度近くに行きたくて
何言われてもまわりなんか知るかよって」
という強い気持ちを持ったこと。

全然こじらせてない…!
むしろピュアピュアじゃないですか!?

散々こじらせ予想をしてきたことを深くお詫び申し上げます…!

辻褄の合わないアレコレはこじらせではなくてただの天然だったんですね。

うん、それはそれで推せます👍(笑)


総括

これでたまほし第1章が完結したのかな?という雰囲気があります。

私はこの回、「小学生編の雰囲気のまま、答え合わせ中心の、すごく切ない中学生編になるのかな?」と予想していました。

でも実際は、今後の布石になりそうな要素をちりばめて、どちらかというとラブコメ要素強めに「この先もめちゃくちゃ面白そう!」というワクワク感とともに結んでいました。

いやぁ、河原先生の手綱さばきが絶妙すぎます!!!

情報が整理され、
鮎川くんの位置づけが明確になり、
(予想よりもおいしいポジションに着地♡)
ふたりのお付き合い編に突入です。

鮎川くんとの対局前に強くなっていた雨も上がって、雨上がりの明るい空気がふたりの行く末を祝福してくれているようです。

朔英目線で少し見上げる神城が、背中に青空を背負っているの、最高に良かったです!

また次回も楽しみです♡


あとがき

今回こそはコンパクトにまとめるつもりが…結局13,000字を越えました。

毎話増えていくのはどういうことなの……

「これはレビューされてる方がいるし、かぶるから割愛しようかな」と敢えてスルーしてるネタもあるんですけどね?
おかしいなぁ。

この長文を最後まで読んでくださった方に、心から感謝と敬意を表します。

お付き合いいただき、本当にどうもありがとうございました!

次のお祭りは2月24日、5巻発売日です。
気づけばあと1週間ほど。

こちらもとっても楽しみです。
小躍りしながら発売を待ちます♡

2023年2月16日
たまほし愛読者 ちー

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