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太陽よりも眩しい星 20話レビュー【ネタバレ注意】

こんにちは、ちーです。
2023年も順調にたまほし沼で溺れています。

1月13日発売の別冊マーガレット2023年2月号で、「太陽よりも眩しい星」episode.20が公開されました。

18話、19話と神回に次ぐ神回だったので、内心ちょっぴり「そろそろ肩透かしくるんじゃない?不穏要素投入とかあるんじゃない?」と身構えてました。

楽しみにしていた反面、緊張しながら恐る恐るページをめくったのですが…。

20話、過去最高の神回でした!!!!!

毎月過去最高を更新するって高卒3年目ドラフト1位投手ですか???
伸びしろありすぎる!!!

いえすみません、ふざけました。
若手にこの作品は書けません。

たくさんの作品や文化を、からだの隅々までインプットしてアウトプットして、インプットしてアウトプットして、そうして描き続けてきた先生だからこその熟練の技です。

河原先生のひきだしの多さ、表現の深さに感嘆するばかりです…!!!

20話が最高すぎたので今回も電子版のあとに紙でも購入したのですが、もうもう、表紙を眺めて永遠にニヤニヤできます。

花火を見ながらフェンスの前で微笑むふたり。
尊すぎませんか?????????

ニヤニヤが止まらないと思ったら、次の瞬間に多幸感にやられて涙ぐんだりしてました。

完全に挙動不審。

でもでも、そのくらい魂を持っていかれてしまってるんですよーーー!!!

そしてまんまと、20話読了後に19話の新鮮な感動の気持ちは思い出せなくなっていました。
19話のレビュー、今は同じ熱量では絶対書けません。

だって脳内が20話でいっぱいだもの!!!

だから今回も、20話の感動が鮮明なうちにレビューを書くことにしました。

19話以上に頭がぽわわんとしていて、書き始めるのも少し遅くなりましたが、書きながら頭を整理していきたいなと思ってます。

しつこいようですが、本当に最高すぎる神回ですので、ぜひ原作を読んでからこちらのレビューをお読みください。
余計な情報をいれずに読むのが、間違いなくいちばん楽しめます!

別マ2月号は電子版510円、紙版520円です。
たまほし以外にもいろいろ面白い作品が載ってますのでぜひ!♥




…大丈夫ですか??
みなさんお読みになりましたか???

では、レビューにまいります。


20話の神構造

前半はおつきあいを開始したふたりの初々しい姿と、クラスメートの反応が描かれます。

そして後半…。
神城目線で、小学校時代の回想が!!!

私は河原和音先生ファン歴2年足らずの新米なのですが、Twitterには長年のファンの方々が多数いらっしゃって、いろいろ貴重なお話を伺えたりします。

その和音マスターズ(勝手に命名)の方々いわく、「河原先生はヒーローの心情をモノローグでは表現しないようにしている」「現実に相手の考えていることを知るのは不可能なので、あくまでヒロイン目線にこだわっている」とのこと。

たまほし1巻を読んだ時から「くーーーーッ!神城目線の話が読みたいいいいいいい」と切望してきたのですが、先生のポリシーからすると難しいんだろうな…とあきらめていました。

ところが!
限りなく神城目線に近い回想シーン!!
出てきたではないですか!!!

うわーん先生!!!
大サービスありがとうございますーーーーー!!!!!!!!!涙

ただ、回想と言えど、神城の気持ち的なものは具体的に語られないんですね。
あくまで昔あったことを想い返しているだけ。

ここが河原先生の中で妥協できるギリギリラインだったのかな?と拙考します。

いずれにしても感謝しかありません。
本当にありがとうございます!!!

20話の岩田朔英(高校生)

20話ではひとつの真実が判明しました。

岩ちゃん。
真の恋愛ポンコツは貴女でしたか…!

神城のことばかり恋愛ポンコツ呼ばわりしてきて本当に申し訳ないきもち。

だって衆人環視の中で男女交際スタートして、一緒に花火を見て、終わったら即座に「ばいばい」ですよ?

神城、ガチで驚いて「えっ!?」って叫んでたからね?
必死で言ったのが「えーと…夜!」
これ、びっくりしすぎて語彙力喪失してますね。

全力朔英推しの私が、まさか神城を不憫に思う日が来るとは思いませんでした。

(夜、LINEで翌朝一緒に登校しようと誘ってきてました。神城の頑張りプライスレス!)

19話の「私も!ぜんぶ神城!」の台詞がなかったら、神城は「もしかして大して好かれてないのでは???」と悶々としてたかもしれない。笑

とは言え、キャパオーバーでわたわたしてる朔英の姿も、初々しくってとてつもなくかわいいんですけどね♡

神城も翠ちゃんもみおちゃんも、朔英の恥じらう姿に存分にもらい照れしてて、読んでるこちらも赤面です。

授業中に後ろを振り向いて、斜め後ろの席の神城の顔を見たのが、今回唯一朔英からとったアクション。

神城は心底しあわせそうにピースサイン。

きっと今まで神城は、後ろを振り向かない朔英の後ろ姿を切なく見守ってきたと思うので。

(しかも隣の席の鮎川くんとどんどん仲良くなっていくのを見なきゃならない)
(朔英の隣の席にいたら朔英の良さがよくわかるからすぐ惚れられちゃうのではと(実体験から)思ってそう)
(昔は隣の席にいたのは俺だったのにと思ってそう)
(カッコが多すぎて読みにくくてすみません!!!)

その子が自分を気にして振り返ってくれるのって、めちゃくちゃ嬉しいんだろうな!って思いました。

まだまだ両想いモードには追いついていない朔英ですが、ただ振り返るだけで神城をとっても幸せにしてること、どうか気づいて欲しいな。

20話の神城光輝(高校生)

独占欲の権化キターーーーーーー!!!(歓喜)

お付き合い開始の夜、さっそくLINEで翌朝一緒の登校にお誘いして。
登校のあとは一緒に帰る約束をして。

気持ちを隠さない言葉と甘い視線で、隙あらば朔英大好きアピール♡

優心に「おまえ、岩ちゃんとつきあってんの?」と訊かれたら、クラスメートの前で堂々と交際宣言。

いいよいいよ神城くん!
ぜひ今後もその調子でお願いします!

今までも朔英を誘うのは神城からばかりだったけど、それなりに遠慮してたんだと思うんですよ。

交際宣言した恋人同士なら遠慮なんて要らないもんね♡
365日誘っても構いませんよ♡♡

あと、今までの神城だったら赤面する時には顔全体を隠してたと思うんですが、お付き合いが始まってからは目だけは見せるようになりました。

その目が本当に甘くて。
視線を送られた朔英が全力で赤面するのも見逃さずに済んで、余計なすれ違いもなくなると思うので、今後もぜひ目は隠さないようにしていただければ幸いです。

大丈夫です、ちょっと読者がもらい照れして、外でたまほしを読めなくなるだけです。
自宅で悶えますので問題ありません!

20話の鮎川陽太

ポーカーフェイスで感情の見えにくかった鮎川くん。

19話では、神城の肩をぐいっと掴んで「おまえ岩田さん泣かしたの?」と詰問。

20話ではとうとう神城に将棋の勝負を申し込んで
「俺 きいたよね お前に、友達なのかって」
「すごい悔しいんだけど」
「いつから好きだったの?」

なるほど???

今までの朔英へのアレコレは、人間的な好意ではなく、恋愛対象と認識したうえでのアプローチだったと。

そういうことですね???

なんっっだよもーーー!!!
そんなの読者まで切なくて切なくて×∞
思わず過去話読み返しちゃうよ!!!!!

プライドのある将棋指しがルールも知らない相手に勝負を申し込むのって、真剣にその相手に向き合いたい時や、その相手を丸裸にしたい時、だと思います。

盤を囲むことで相手のことをより深く知る。
自分のすべてで相手の思考、性格を感じ取る。
それができるのは盤上ならでは。

そういう勝負を神城に挑んだ。
そして神城は受けた。

これはお互いに相手の人間性を認めているからこそだと思います。

なおこの男同士の真剣勝負を、朔英も優心もこれっぽっちもわかってないのが面白すぎます。

朔英のニブさが優心のKY並みだと証明されてしまった瞬間。

ああ、これはお付き合いが始まっても、しばらくは神城に苦難の道が続きそうです。
頑張れ神城!負けるな神城!

※鮎川くん欄で神城の応援すみませんw

20話の小野寺翡翠

翠ちゃん、恋話モードにテンション振り切れてて面白い!

「なんて言ってすんのー!?告白ってー!!」
「どやってすんの!?どっちがしたの!?教えてー!!」

もうね、
はしゃぎすぎてちょっとおバカになってる。笑

でもすっごく友達想いだし、恋話好きなのにほんとに経験はゼロなんだなーとよくわかりました。

朔英も、翠ちゃんが大喜びしてくれるから実感できる…という側面が少なからずあると思うし、こんなに喜んでくれる友達がいるのはすてきだなって思います。

20話の香川美織

はしゃぎすぎの翠ちゃんを冷静になだめるみおちゃん。

でも、恥じらう朔英にもらい照れしたり、隣の席の神城が朔英に見惚れてるのをしっかりチェックしてたり、表に出さないだけですごく喜んでるんですよね。

もともとみおちゃんは、学祭準備中に神城に「力仕事とかは俺がやるから、岩田に言う前に俺に言って」と言われて、神城の好意に気づいてるんですよね。(15話参照)

だからこそ、後夜祭での告白を珍しく後押ししたわけで。

そのあと朔英が泣いてる話で失恋と誤解して。(19話参照)

普段なら本人の意志を人一倍尊重するみおちゃんだからこそ、朔英をけしかけた自分をすごくすごく責めたと思うんです。

つきあうことになったと聞いて、安堵とともにものすごく嬉しかったんじゃないかな。
隣の席で神城が真面目に授業受けてる姿とかも見てて、チャラいだけじゃないことも知ってるわけですもんね。

普段クールなみおちゃんが朔英のために一喜一憂する姿、とても可愛かったです。

3人のトークは見てて楽しくてかわいくて。
ピュアなところ、真面目なところ、友達想いなところ。
最高の類友ですね!

20話の井沢優心

発売日深夜、Twitterでゲリラ開催されたたまほしスペースにリスナー参加していたのですが、珍しく優心がスピーカーの皆さんに絶賛されていて笑いをこらえきれませんでした。

授業中に目配せし合うふたりを見て、神城に「岩ちゃんとつきあってんの?」と質問して、クラスメート公認にしたことがまず100点。

次に、鮎川くんが神城に将棋勝負を挑んだ時に「俺は?」と仲間に入れてほしそうにしてるのもカワイイと採点されて、結果120点。

普段と同じように空気が読めない発言を連発してても、ベクトル次第では褒められるんですね。

今後も良い方にKYでお願いします!

LINEスタンプ

たまほしでは当初からLINEの取り入れ方が絶妙で、ただのツールではなくLINEならではの特性を生かしたストーリー上重要なやりとりが何度も行われています。

友達へのお付き合い報告がLINEなのもリアル。
自分から言うのではなく、翠ちゃんにツッコまれてから答えるところも朔英らしい。

同時に神城から、登校のお誘いLINEが来て慌てる朔英。
「うん」と答えるだけなのにスタンプ候補が出て余計に慌てるんですが、それが「全力押忍!」とかへんてこすぎる!笑

朔英はたぶんお笑い好きなんですよ。
(2話の「なるべく話しかけよう」「神城お笑いすきかな?」のモノローグより)

今回出てくるスタンプはその辺の趣味から来てるのかな?と思いました。

お笑い好き、今度深堀りされていくのかな?
でも作品のテイストとは合わないな。笑
今度も要チェックです!

今回、神城の花火アイコンには、神城のデフォルメの顔がつく明朗仕様でしたね。

マニアックなファンなら花火アイコンだけで「これ神城だね」ってすぐわかるけど(はい私です)、読者はマニアだけじゃないので(そりゃそうだ)、明確さを優先したのかなと。

またこのデフォルメの顔がかわいくって!

わかりやすくてかわいくて、いいこと尽くしでほっこりしました♡

20話の岩田朔英(小学生)

神城の回想に出てくる朔英ですが…
一体どれだけキラキラしてるの?????

本人が回想する時と全然ちがって、めちゃくちゃに可愛いです!

背は高いけどスタイル良くて、優しくて可愛くて、天然で可愛くて、賢くて可愛くて、かわいくて可愛いです!!!
(急募:語彙力)

ふたりぶんの牛乳を飲む朔英、周りからはすごい食いしん坊に見えてるんじゃないかなと思ってました。
でも実際は「ちー」とストローをくわえてニコニコと牛乳を飲む朔英。

ちょっとまって?

牛乳パックがスタバ的なオシャレなものに見える錯覚が起きました。
めちゃくちゃかわいいです。

「しょうらいのゆめ」がテーマのお絵かきで、ゆめのお弁当を描く朔英。

「テーマ"ゆめ"だよ」と神城に言われても
「うん、まんなかになに入れようかな」と返す。

初めて神城の方がしっかりしてる場面を見たかもしれない。
天然のくいしんぼう?
しっかり者なのに天然さん?
ギャップ萌え可愛いです♡

央太の家でケンカの仲裁をしたシーン。
神城と同時に無言でスッと間に立つ朔英。
まだ幼い顔つきに毅然としたうつくしい瞳。

札幌のジャンヌ・ダルクですか???
凛々し可愛いです。

授業中に神城に漢字の読み方を教えて、先生に注意された場面。

神城に「ごめん」「ありがとう」と言われてびっくり顔。
からの、首をかしげて笑顔。

フェアリーですか???
ふわふわ可愛いです!

ドッジボールからの給食のたこやき交換。
「あとで食べる」とたこやきを取っておいてにこにこする朔英。

ここは普通なら笑っちゃうシーン。
なのにハグしたくなる可愛さ。
ホクホク顔すら可愛いです!♡

そして卒業式。
いつもと違う晴れ着姿。
大きな花飾りを頭に付けたきれいな横顔。
小首をかしげて柔らかく微笑む、普段よりも大人っぽい表情と仕草。

晴れ着のモデルかな?????
可愛いが過ぎるのですが!?!?


背も高いし、ぱっと見、完全に美少女中学生モデルですよね。
「隣の席の可愛い子」から「大人っぽくて美人で気になる子」へ、神城の意識も切り換わってると思います。

神城フィルターを通した朔英は、間違いなく「太陽よりも眩しい星」でした。

こんな子が6年間も隣でニコニコしてくれてたら、そりゃ恋に落ちるよねぇ。

わかるよ神城くん。
もう他の子なんて目に入らないよね。

高校入学直後、朔英と話してる時にお花をしょった可愛い翠ちゃんが話しかけてきても、スルーして部活行くよね。(2話参照)

何なら「邪魔された」くらいに思ってそうな無表情になるよね。
わかるよ!!!

20話の神城光輝(小学生)

はううううう、尊い!!!

表情豊かなチビ神城。
朔英と対等になりたいのになれないチビ神城。
朔英と遊びたくてしかたないチビ神城。
何でもお母さんに報告するチビ神城。

チビ朔英に勝るとも劣らない破壊力であります。

神城、毎日のようにお母さんに朔英の話ばかりしてますね。
そりゃお母さんに恋心もバレますよね。

河原先生のポリシーのお話にも関連するのですが、回想シーンはよく見ると、ラストページ以外はモノローグを廃して回想だけで構成されています。

その時神城が何と思ったかは文字では書かれておらず、実際に起きた出来事だけで神城の気持ちが読み取れるようになっています。

それがちっとも違和感なく、スッと理解できる。
これ、めちゃくちゃ高度な技術だと思います。

小学生の頃の神城がとっても素直で感情を表に出すということもあると思うのですが。

むっとする表情
机の下でぶらぶらする足
思わず叫んだ言葉

モノローグがなくても、台詞と表情と仕草に朔英への気持ちがあふれていて、下手な説明文よりも胸に迫ってくるものがありました。

あと、呼び方が「さえちゃん」→「さえ」→「朔英」と変化していくのもすごく良かったです!

神城の成長と、どんどん神城の中で存在感を増していく朔英の輪郭の濃さ、解像度の高さの変化をあらわしている気がしました。

回想シーンの答え合わせ

神朔英の小学生時代のエピソードは全部尊くて見るたびに胸がふるえるのですが、今回は既出のエピソードも多くてまさに答え合わせ回。

ひとつずつエピソードにコメントしていってみます。(いちいち長いです、ごめんなさい!)

■小1の出会い:牛乳を飲んでもらうエピソード

1話参照。
小学校の入学式、朔英は初めて会った神城が牛乳嫌いと知る。
「私が飲むよ!牛乳だいすきだから!」と申し出て、にぱっと笑った神城の八重歯の笑顔に一目惚れする。

20話では、牛乳を飲んでもらったことを喜んでお母さんに報告する神城に、遊びに来ていた昴が「……ダサ」と、端的かつ切れ味鋭くツッコむおまけつき。

「その子2個飲んでおなかこわさないの?すばるはこわすよ」と話す昴。
小さい頃から冷静沈着・ドS風味でたいへん良いですね。
(わたくし昴も贔屓にしております)

朔英はほんとうはおなかを壊さないように家で牛乳をたくさん飲む練習をしていたけど、そんなことは顔には出さずに「こわさないよ、だいじょうぶ」とにっこり。

おそらくこれが朔英の神城に対する「ファースト大丈夫」です。

朔英は作中で神城が気遣ってくるたびに恐縮して「大丈夫」を連発しており、ほぼ口癖状態です。

この辺が神城が「自分は頼ってもらえない」「片想いだ」と思い込んでいた要因のひとつでもあると思います。
朔英ちゃん、罪な女だぜ。

そんな朔英のファースト大丈夫を受けて、昴の言っていた「(さえちゃんは)優しいんだね」の台詞を実感する神城。

高校生になって、朔英が昴のことを「ちょっと憧れる」と話した時、神城は
「いやあの人めっちゃいじわるだよ!?すごいいじってくるからね!?」
「だから岩田は憧れなくていい、そのままでいて!!」
と全力拒否してましたが。(10話参照)

まさか出会い直後というかなり早いタイミングで、ふたりの優しさの違いを実感する出来事があったとは。

優しい朔英が昴みたいにドS化する…。
想像するだけで怖かったでしょうね。笑

■しょうらいのゆめのお絵かき

これは初めて出てきたエピソード。
朔英目線だと本人の天然さはあまり表現されてこなかったので新鮮でした。

こんなにおべんとうに夢を持ってる朔英には、中3で久しぶりに話した時にもそりゃ給食の話を振るよね。
(1話参照)

「すごい食いしんぼうだと思われてる」って、実際おいしいもの食べてる時にはお目々キラッキラだからなぁ。
まず胃から攻めたくなるの、めちゃくちゃわかります。笑

■岩田さんは力持ちだから2個持てるよね

13話、15話参照。
4巻の神城の迷走の原因となったエピソード。

小学校の先生に「神城さんは1個」「岩田さんは力持ちだから2個持てるよね」と荷物を割り振られて、むぅ、と不満そう。

おうちでお母さんにその話をして、お兄ちゃん(仮※)に「力ないじゃんチビだし」と言われてカチンときています。

※突然出てきたので関係性が不明ですが、常に家庭にいるのでまぁお兄ちゃんだろうな、と思ってます。朔英の妹たちも影がうすいし、今までは特に描写されてなかっただけだろうと推察。

このエピソードは4巻の中の13話、15話で出てきていたのとほぼ同じ話ですが、わざわざ回想の中に含んだのは、それだけ神城にとって重要なエピソードということ。

朔英よりもたくさんの荷物を持てる
=頼りがいのある男
という考えは、長らく神城の中にあったのだと思います。

鮎川くんの「コンプレックスをさらけ出しても、ありのままの自分自身で勝負するやり方」と真逆なのも象徴的ですね。

ちなみにお母さんに「さえ うけるさ」と話している「さ」は北海道の方言ですね。

小さい頃には方言を使って、成長したらかっこつけて明確な方言は使わなくなるの、すごくリアルだなーと感心します。

神は細部に宿ると言いますが、河原先生のこだわり凄いです!

■サンタさんに何もらうの?

初めてのエピソード。

神城は朔英のプレゼントがスイッチだと聞き出してから
「おれも!!」
「フレコ(フレンドコード)交換しよ!」
「いっしょにやろ?」

いやこれ、高校の志望校を聞き出した時とまったく同じ流れでは?????

当時の流行りだから自分も欲しいのもあるかもしれないけど。
訊いてから答えるスタイルって確実に合わせに行ってますよね??

この時点ではまだ恋愛感情に気づいてなさそうなのに、すでにリードしまくりの光輝くんが尊かったです。
合掌。

ここでニヒルに「フッ サンタさん…」と笑ってるのは渡辺ですね。
どうやら上にきょうだいがいそうだな、ということはわかりました。

■央太んちでの喧嘩の仲裁

こちらも初めてのエピソード。
私は神城の判断基準を形成したのは朔英だと思っていまして。

そんな妄想を裏付けるようなエピソードでちょっと嬉しかったです。

それにしても神城のお兄さん(仮)、発言がぜんぶ朔英をけなす優心スタイル。

神城が前日に自己紹介したばかりの優心相手に崖の上から蹴り落とすほどアグレッシブなアクション(※オブラートに包んでお届けしています)を展開したのは、普段から遠慮しない関係のお兄ちゃんと似てたから?と思ったり。
(2話参照)

ずいぶん初期の話なので、そこまで考慮されてなかったかもしれませんが。
妄想は自由なので、自分の中ではそういうことにしておこうと思います。笑

■算数の採点

隣の人とテストの答案を交換して丸つけ。
こちらも初めてのエピソードです。

朔英の答案が○ばかりで、読みやすい字だと気づく神城。
点数だけじゃなくて人となりをあらわす字にも意識がいっているの、小学生らしからぬ視点だと思いました。

ていうか、好きな子じゃなければ、隣の人の字の上手さなんて気にしないよね?

あと、約分忘れを△にする朔英の優しさがもう…!!!
それにしっかり気づいてる神城。

やっぱりお似合いです!
末永くお幸せに!!!!!(気が早い)

■国語の「整って」

1話参照。
20話では、最後に首を傾げた朔英の笑顔が追加されています。

朔英がきちんとお詫びとお礼の言える神城をかっこいいと思ったように、神城は自分のせいで怒られたのににっこり笑える朔英がかわいいと思ったんですね。

丁寧な気持ちの交流が恋を育んでる。
ううううう、尊い!!!!!

■ドッジボールのあとのたこ焼き交換

1話参照。
このエピソードでも、朔英の回想になかった部分が最後に追加されています。

「食べないの?」と訊く神城に、にこにこしながら「最後に食べる」と返す朔英。

同じものを交換しただけなのに、宝ものみたいに大切に持って大切に食べてもらうの、嬉しいですよね。

この時、足をぶらぶらさせる神城がめちゃくちゃ可愛い!
きゅんきゅんする気持ちを持て余してる感じ。
ああ、何でここでこの表現を引っ張り出せるんだろう。
河原先生、やはり神!

■おまえぱんつくったことある?

初めてのエピソード。

悪ガキたちの質問に神城が「あるよ」と答えたら、「えっおまえパンツ食ったの!?」と冷やかされる、たいへん小学生男子らしいくだらないエピソード。

このくだらないエピソードがですね、朔英が次のターゲットだとわかった瞬間に「だめだ!!」と 怒る神城を見せることで、とっても重要なエピソードに様変わりします。

河原先生のテクニックが素晴らしすぎて思わず絶句しました。

そしてこちらは、おそらく神城の「ファーストセコム」です。

高校では鮎川くんと優心、映画デート中に朔英に道を尋ねていたモブたち相手に、これでもかとセコムガードを繰り広げている神城。
独占欲の権化、たいへん良きです。

「中学校でも裏でやってそうだな」と予想していたんですが、まさかの小学生から!

読みの甘い自分をひっぱたきたい。
これは中学生編が熱そうです!

■おまえら好きなやついる?

1話では、朔英の小学生時代の回想の中で「周りの友達が誰も光輝をすきじゃなくてほっとした」というモノローグがありました。

20話ではそれと対になるエピソードとして、神城が少年サッカー団の仲間と恋話している場面が回想されています。

「好きな人」と言われて朔英の笑顔が思い浮かぶ神城。
このページの最後のコマの横顔は、胸の中で笑う朔英の笑顔を眩しく見つめているように感じました。

■バレンタイン

7話参照。
小学生の時に、お母さんと作ったチョコを神城にあげた朔英。
周りがよく交換していたので、その流れで告白はせずにふつうにあげることができた。

20話では、神城がもらったハートのチョコを見ながら朔英の笑顔を思い出していたら、お兄ちゃん(仮)が「1個ちょうだい」とやってきて、そのハートのチョコをばくり。

顔色を変えた神城がお兄ちゃんに掴みかかって大喧嘩に。

たぶんですけど、神城は「おばけのチョコならあげてもいいか」「ハートのチョコは2個とも自分の」と考えてたんだと思うんですよね。

お兄ちゃんの空気の読めなさよ…!

このバキィッ!と朔英のチョコを食べた神城のお兄ちゃんの描写が、トラブルの暗喩ではないといいな…と思います。
(朔英ファースト&過保護)

■小学校の卒業式

2話の表紙参照。

2話の表紙では背が伸びた神城のスーツ姿に見とれる朔英が描かれていました。

20話では袴姿の朔英に見とれる神城が描かれています。

このお花の髪飾りの上に「いつから好きなの?」の台詞の回想が重なってる構図。
めちゃくちゃ良くないですか!?!?

朔英のうつくしさと神城の意識のシンクロ、絵画のような完成度。
まるでミュシャみたいですよね。
まさに神の所業!!
はーたまらん…♡

21話の予想

最終ページを読むと、次回は神城回想バージョン中学生編と思われます。

実は私、こじらせ男子が大好物でして…!
(唐突なカミングアウト)

たまほしにここまでハマったのも、神城にこじらせの匂いを感じたからなんですよね。

だって朔英がイジられたからってクラスメートを崖の下に蹴り落とすのおかしいですよね?
(2話参照)

告白チャンスに、他に好きな子がいるみたいに話すのも絶対おかしいですよね???
(4話参照)

小学生の頃の素直な神城から、中3の神城へ成長する過程で、何らかのこじらせターニングポイントが発生したはずだとにらんでおり。

5話で神城がこじらせてることを確信してから、ずっとずっと神城目線でその話を読みたいと思ってきました。

大袈裟ですが、そのエピソードはたまほしを読んでいく上での夢というか目標みたいなものになっており。
予想よりも早く機会が訪れそうなので、今からドキドキそわそわしています。

そもそも小学生の頃の神城も、ずっと脳内で妄想してきたのとほぼ同じ熱量で朔英だいすき&朔英ファーストで。

公式と解釈一致ってこんなに嬉しいんですね!

しかも「こういうの読みたいなー」と想像してた神城を河原マジックでらくらく超えてくるので、本当に感無量です……!!

ここで中学生編を読んで、ほぼ妄想通りの話がきたら、カタルシスありすぎて情緒がぶっ壊れるのでは???と謎の不安に苛まれています。笑

名場面の構図マジック(1/20追記)

初見で感動したのに書き忘れていたことがありました!
それは体育倉庫での神城の告白シーン。

18話のラストページ、そして19話冒頭では、実にさまざまな構図で告白シーンを見せてくれました。

斜め上からの構図。
左右に並んで向かい合うふたり。
俯瞰した構図。

でも20話では初めて、そのシーンを朔英目線で見せてくれているのです。

今日の神城の顔と声が
ずっと浮かんでる
くりかえしてる
耳で 目で
何回も 何回も

別冊マーガレット2023年2月号 P.353より

朔英の様子を伺う神城。
しゃがみこみながらもまっすぐ伸びた背筋。

照れくさそうに、でもとても愛おしそうに。
ぜったいに目を逸らさない、朔英のぜんぶを見逃さない、と決めているかのような表情。

Twitterのフォロワーさんで、神城のポーズを「傅く(かしずく)」と表現していた方がいて、なんてぴったりな表現なんだ!と唸りました。

19話の必死に気持ちを伝える神城にもきゅんきゅんしてたのですが、朔英目線の神城は忠誠を誓う騎士のようで。

これ破壊力ありすぎまして、ですね。

朔英が鮎川くんを好きな世界線だったとしても、きっと落ちてるよ!!
って思いました。

18話で朔英が座り込んで泣いているラストシーンも、20話のこの画を描くための河原先生の計算だったのでしょうか…???

どこまで計算されているんだろう…!?
河原先生、ほんとに凄すぎます!!!

総括

河原先生は天才すぎる

底なしに思えるストーリーテリングの才能に震えます。
あと今回の作画もすばらしかったです!

2月24日発売予定の5巻には17〜20話が収録されますので、5巻は神巻決定です!

もちろん電子と紙で買いますが、目下の悩みは「紙で何冊買おうかな?」です←


19話の熱量よりも高くなることはないだろうと思ってたのに、今回は1万字を超えました。

今月もめくるめく たまほしワールドを堪能させていただきました。
はーーーしあわせ…♡♡♡

この長文を最後まで読んでくださった方も、本当にありがとうございます。

引き続きたまほしを全力応援してまいります!

2023年1月16日
たまほし愛読者 ちー



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